私の言葉が君に届く前に。













はある寒い冬の日の夜、宮田を川岸の土手に呼び出した。
宮田もなんとなく呼び出された理由を察しているようで、
ふたりの間には妙な空気が流れている。


(がんばれ!がんばれ、私!!!私!!)


は宮田を前に、ぎゅっと手を握り心の中で自分を励ます。

冬なのに暑い。とは思った。
きっと自分の顔は今、真っ赤だろう。
暗くて良かった。とは思った。



は沈黙の中、意を決した。


「宮田くん!あ、あの!あのね!!」


「ちょっと待て!」


「へっ!?」


意を決して発した言葉を止められは間抜けな声を出してしまう。



「俺から言わせてくれ・・・・」



「へ!?」


そしてよくわからない展開に頭が混乱する。



「・・・お前のことが、ずっと好きだった・・・俺と、つき合ってくれ。」



「・・・・・・・」



宮田は少しの沈黙の後、意を決したように伏せた視線を上げ、

試合に挑む時のような、真剣な表情でにそう言った。





私の言葉が、君に届く前に――。










終。



お題屋さんのお題をお借りしました!ありがとうございました!




2019/01/09...