THE★ナース。
それは何事も無い、普通の日の筈だった・・・・。
「あの・・・幕之内さん・・いますか・・・?」
「ああ!くくく、久美さん!どうしたんですか!こんな所に!」
普通に練習をしていた皆は意外な人物の登場に練習の手を止めた。
そして鷹村、木村、青木は後での話題にしてやろうと
会話に耳を傾ける・・・・。
「あ、あの・・ちょっとお話があって・・・。」
「え、あ!僕にですか!あ、えっと・・・。」
と、一歩は後ろを振り向く。
もちろん背後には背は向けているが異様に二人の近くで練習をしているいつもの三人がいた・・。
「あ、久美さん・・外に・・・・。」
出ましょうか。と一歩が言おうとした時だった。
「きゃああああ!!!」
『!?』
ジムの奥から突然、物凄い叫び声が聞こえてきた。
「今の声・・・・。」
と、木村がつぶやく。
皆がジムの奥へと繋がるドアを見ていると・・・。
ガチャ
とドアは開き・・・。
「シャワーがぁ〜っ!!!」
と、頭から足元までびっしょりの半泣きなが現れた。
「さん・・・・。」
みんな驚いてを見る。
「おー、どうした。」
そして、尋ねる鷹村。
「シャワー室掃除してたら、シャワーから水が少し漏れてたんで
蛇口捻ったら蛇口が取れて・・・・・
慌ててはめて戻そうと思ったら反対に回しちゃって・・・・・・・。」
「頭から水かぶったってわけか・・・。」
と、言いながら木村はに大きめなバスタオルを渡した。
「あ、有難う御座います〜!!」
はそのバスタオルで顔や頭を拭く。
しかし、服はべちょべちょ・・・・・。
「あー・・・服どうしよう・・・今日これで来て
仕事してたから替えないんですよね・・・。」
はぬれて気持ちの悪い服をひっぱった。
「俺達は着てきた服しかないし・・・・練習し終わった練習着じゃあれだろうし・・・。」
と、青木は言う。
「誰か服もってっかな・・・・おー・・」
い。と木村が練習生に声をかける時だった・・・。
「あ、あの・・・」
「え?あ!久美さん!!!」
はようやっと久美の存在に気付いた。
「久美さん来てたんですか!あはは・・何か凄い所お見せしてしまって・・・。」
とは苦笑いする。
「あの・・さん・・・私ので良ければ・・・服ありますけど・・・。」
「え!?」
は久美の言葉に少し期待した。
しかし・・・
「あ・・でも久美さんのサイズ入らないと思うし・・・。」
あはは・・。とは思いとどまった。
しかし。
「いえ・・これ仕事着なんで動きやすいよう結構大きめなんで!
サイズは大丈夫だと思うんですが・・・・。」
『・・・・・・・・え?』
久美の言葉に皆はまさか・・・・と思っていると・・・。
「洗濯しようと思って家に持って帰ろうと思ってた
看護服なんですけど・・・・これで良かったら・・・。」
そう、久美の取り出したのは・・・・ナース服。
(ナースですか!?)
は心の中で焦って叫んでいた。
よもや人生で一生着ることの無いだろうと思っていたナース服を
こんな形で着るとは思いもしなかった。
「い、いや・・・それは・・・・。」
とが苦笑いして遠慮しようとすると・・・。
「よかったなあ!!服が見つかったぞ!」
がしっと鷹村に肩を回された。
「っ!」
いきなりのっかかってきた重みに耐えていると・・。
「このままで風邪引いちゃまずいからね〜、この場合はしょうがないんじゃあないかなぁ・・・。」
とにんまり笑顔の木村。
「ナース服か・・・・。」
と、何か一人考えている青木・・・・・・・・。
「あたし着ないですよ!嫌ですよ!!!!」
は叫ぶ。
が。
「え・・・・。」
その言葉に久美の顔が曇った。
「あ、いや・・・。」
そういう意味じゃ・・とは焦る。
「あ〜あ〜折角貸してくれるって言うのに・・・。
着るのが嫌って、じゃあ毎日お仕事で来ている人たちに
失礼なんじゃあ〜ないかなあ〜。」
にぃ〜と、鷹村。
「いや・・物には状況と言う物が・・・・・・。」
ね、久美さん。とは言うが・・・。
「そうですよね・・・こんな所で看護服だなんて・・・看護服なんて・・・。」
「あああ!やっぱり着ます!着ます!ごめんなさい!もう大助かりです!!!」
悲しげな久美の表情にが折れた。
そして、いよっしゃー!と輪を描いて踊る三人トリオ・・・・。
「・・・・・はぁ・・・・・。」
そして看護服を有難く頂き、ため息をつくがいた・・・。
「じゃ・・じゃあ着替えてきます・・・・・・・。」
そしては旅立った・・・更衣室へと・・・・・。
「いぇーい!ちゃんのナース服だぜ!」
「そんな物がジムで見られるなんてな〜・・・世の中わかんないもんだぜ・・・。」
「ナースか・・・・。」
との登場を待ちわびる三人・・・。
「あ、あの・・私・・まずかったですかね・・・。」
そしてそんな三人を見て久美は隣にいる幕之内に話しかけた。
「あ、い、いえ・・・あのまんまじゃ本当に風邪引いちゃうし・・・しょうがないですよ・・・はは。」
と、内心のナース姿を想像してどきどきしている一歩は久美にそう言った。
ガチャ
そしてドアが開いた・・・。
「・・・・・何でそこで待ち構えてるんですか・・・皆さん・・・。」
しかしはドアから首を出しただけで・・・・肝心の体は見れなかった・・・。
「何、顔だけお化けしてんだよ!早く出てきやがれ!!!」
そんなに鷹村は叫んだ。
「だからなんで待ち構えてんですか!練習してくださいよ!練習!!!」
「何でってお前のナース姿見るために決まってんだろ!」
「見なくていいですってば!!!」
「まーまーちゃん・・・どうやってもいつかは
見られるものなんだから・・・素直に出てきなよ・・・。」
言い合いになってたと鷹村の間に木村が仲裁に入った。
もっともらしいことを言いながら・・・結局は出て来いということだが・・・。
しかしはそんな言葉に促され・・・・・。
「別に見るもんじゃないですよ・・・眼に毒ですよ・・・・。」
しぶしぶ扉から出てきた・・・・。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
そして皆は固まった。
普通のナースさんなら服はゆったりめで普通に見えるのだが、
久美のナース服を着たはぴったりちょいきつめで・・・・。
胸と尻は強調され・・・歩くたびにスカートは少し上がり・・・。
(イメクラだ・・・!!!!!!!)
夜のお姉さんがするようなナース服の着方になっていたのだった・・・。
青木や木村は笑いをこらえながら後ろを向きにやけていた。
(たっまんねぇなぁ!青木!)
(おうよ!!!)
そして裏でそんな会話をする二人はふと・・・鷹村を見た。
「久美さん服有難う御座います・・・でもやっぱり少しきついみたいです・・・。」
「あ、いえ・・そんなことないですよ・・ぴったりですよ。」
鷹村はそんな会話をしているを見て。
「・・・・・・・・・。」
ズカズカと近づき。
「いえいえ・・もう久美さん細いから・・・って・・え?・・・きゃああああ!!!」
無言でを肩に担いだ。
「ちょ!何!?え!!!あああ!スカートめくれる!やだ!何!?鷹村さん!!!」
そしてそのままガラッとジムのドアを開け、外へと出る・・。
「ちょ!ちょっと嫌ぁあぁ!!!助けて!皆さん!木村さん!!!一歩君!!」
「大変だ!!!鷹村さん家に持ち帰る気だぞ!!!」
「やべぇ!!!野生の鷹村さんになっちまった!おい一歩!!!止めるぞ!!!」
「え!?さん!?」
「なんとしても止めるんだ!じゃなきゃ今回こそ、事件になっちまう!!!!」
「うちのジムから犯罪者なんてだしたくねーぞ!!!」
「た、鷹村さーーーーん!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
そしてジムには、ぽかん・・・とする久美の姿だけが残った・・・。
果たしては無事だったのか・・・どうだったのか・・・・・・・・・・・・・。
終。
2003/09/20...