THE★秘密。01
それは・・が鴨川ボクシングジムでバイトをしだしてから少し経ち、
仕事にも人々にも慣れてきた頃だった・・。
「ラララ、ラ〜ララ〜ラ〜〜♪」
は鼻歌を歌いながら掃除用具室をガサガサとあさる・・。
は今日もジムでのバイトをしていた。
順番通り何時も通りに仕事を済ませ。
今はシャワー室の掃除に取り掛かろうとしている。
(えっと・・デッキブラシとスポンジと水切り持って・・行くか〜。)
と、掃除用具を漁り終わったはバイト用の
ジャージの裾を膝までまくり、靴下を脱ぎ、
掃除用具を持ってシャワー室へと入ろうとしていた。
シャワー室は練習が終わり、帰る夜に使うため。
は皆が使う時間と重ならないように何時も夕方に掃除をしていた。
誰かが使っているのに鉢合わせしたら・・滝汗ものだ・・。
そのため、何時も入る前にはノックをしている。
しかし・・・この日はつい、何時もノックしても誰もいないことや、
水の音もしないし、慣れからそれを怠ってしまった・・。
それが事の始まりである・・・
「な〜ん〜どとーな〜く〜♪」
とは歌を歌いながら少し下を向き、シャワー室のドアをガチャと開けた。
「まちーがー・・・」
と、歌を歌いながら顔を上げる。
すると・・・・
「・・・・・・ん?」
シャワー室の中には誰かいた。
「・・・・・・・・・・・・。」
は、ぽかん。とその男の人を見つめる。
黒髪で眼まで前髪がかかり、
太い眉毛に鋭い眼つきで、背も高く。
筋肉も凄いついていて。
良い男オーラが漂っていた。
そしてその男はタオルを肩にかけ。
全裸でこちらを向き仁王立ちしていた・・・・
「・・・・うわぁあああああ!!!!」
その瞬間、鴨川ジムに女の色気も何も無い、悲鳴が響いた・・・。
「・・・?」
ジムで普通に練習をしていた宮田一郎は、ジムの奥から聞こえてきたその悲鳴に
何だ・・?と顔を顰めながら練習していた手を止める。
それはジムにいた全員が同じだった。
そして数秒すると・・・
バタン!バタバタバタバタ・・・
と、もの凄い勢いで駆けてくる音がドアの向こうから聞こえ・・・
「・・・?」
宮田や練習している人々が、ある一点。
部屋の奥へと続いているこの練習室からのドアを見つめていると、
バターン!
と思いっきりドアが開いた。
「・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
そしてドアから現れたのは・・・涙目で悲痛な顔をしているだった・・。
おまけに足は膝まくりしていて、裸足である。
「・・・・・・」
そんな尋常でないの姿に、宮田がどうしたんだ?と、聞こうとした時。
宮田の声にが、ばっ!と宮田の方を向いた。
そして、
「宮田くん!!!」
とは涙声で宮田に突進した。
突進し、宮田の服にしがみつき、そのまま動かなくなった。
「・・・・・・」
宮田は突然の事に両腕を上げ、唖然としながら抱きつかている。
唖然としていたのは宮田だけじゃない。
ジムにいた全員が唖然としていた・・。
「・・・・・」
宮田は数秒間、間を空けると、いつもの冷静さを取り戻し、
「・・・どうした?」
にそう聞いた。
「・・・っ・・シャワー室に・・・」
は少し涙声で、ぼつぼつとしゃべり始めた。
「シャワー室に・・誰か・・誰か知らない人が入ってた!」
は半ば叫びながら、宮田の服を握り締める。
「誰かって・・・」
このジムのやつしかいるわけが無いんだが・・・
と、宮田が考えていると、
ガチャ。
とが思いっきり開き、思いっきり閉めたドアがまた開いた。
そしてその場にいた以外の全員が、開いたドアを見る。
はそのまま宮田にしがみついていた。
すると。
「おーう、どうしたんだ〜?」
「・・鷹村さん・・・ってその格好・・・」
そんな声が聞こえてきたのでは少し安心して顔を上げ、振り向き鷹村を見ようとした。
そしては振り向く・・・・が、そこにいたのは・・・・・
先ほどシャワー室に、全裸で仁王立ちしていた男が腰にタオルを巻いた立っていた・・・
「・・うわあああ!!」
とは叫び声を上げながら宮田の後ろに隠れる。
「あ?さっきからどうした。」
「・・・・・・・・・・。」
宮田は大体の状況を察した・・。
そう、シャワー室にいた黒髪の良い男は、髪を下ろした鷹村さんだった。
鷹村さんを他人と間違えるのか・・?と宮田は思うが、
まぁ、自分も最初、髪の下りた鷹村を見た時は誰だ?と思ったことがあったので納得した。
「・・・鷹村さん。さっきにシャワー室で会いました?」
宮田は前には鷹村を、後ろにはをと、板ばさみになりながら冷静に淡々と話す。
「ん?ああ。」
「その時・・タオル巻いてましたか?」
「いや。」
「・・・それが原因だと思います。」
宮田は溜息を吐いた。
「あ?」
宮田の言葉に鷹村は聞き返す。
「うぅ・・」
そしては宮田の背中に抱きついて半泣き状態だった。
「なんだ?俺様のち○こ見たくらいで叫んだのか?」
と、鷹村は追い討ちをかけるかの様に、更に放送禁止用語を口にする。
「あああ!!やめて下さい!!!」
その鷹村の言葉には更に泣き叫びながら宮田にしがみついた。
「・・・・そうみたいですよ・・」
宮田もこの二人に挟まれ、半ばうんざりしながらため息をついた。
「・・そんなこと言ったら、宮田にも同じもんついてんぞ。」
と、鷹村はニヒと、愉しそうな微笑を浮かべながら言った。
「ちょ・・・」
俺を巻き込まないで下さい。と言おうとした宮田は、
背中に感じていたが張り付いている感触が少し離れたのに言葉を止めた。
「・・・・・」
そして首だけ回しを見る。
「・・・・・・・」
そこには複雑な・・怪訝な顔をして、宮田を上目使いで見ながら少しずつ離れているがいた。
「っ・・おい、お前なぁ・・」
と、宮田は口元をヒクッとさせる。
「戻りましたー。」
とそこへ、ロードワークから戻ってきた一歩が現れた。
「あ、一歩くん!」
は宮田から離れて、新たな救いを求め一歩へと駆け寄った。
が。
「因みに一歩には俺様並みの物がついている・・・」
その鷹村の一言にの足はビタッと止まり、またもや怪訝な顔をした・・。
「え!?」
その言葉に一歩はなんとなく意味合いを察し、苦笑いを浮かべる。
「うぃーす、戻りましたー。」
「やっとついたー」
と、そこへ木村と青木も戻ってきた。
「・・・・・・・」
はその二人を今にもこぼれんばかりに涙を溜めた瞳で見つめた。
「え!?」
「へ!?」
何事?と二人は思う。そしてその直後またもや・・・
「青木にも木村にも、ここにいる全員についてんだよー!!!」
と、鷹村はガハハハハと叫びながら愉しそうに笑った・・・
「ど、どうしたの?さん?」
一歩は苦笑しながら近寄ると。
ズリ・・
とは後退りし、一歩から逃げた。
「・・・・あのなぁ・・お前・・・」
と、宮田も近寄るが
ズサッ!
と、宮田を避ける。
そしてそんな様子を見ていた鷹村が・・・
「ワハハハハ!!!ほら逃げろ!逃げないと捕まえるぞー!!!」
と、タオル一丁の姿でを追いかけ始めた・・・・。
「ぎゃあああ!!!!!」
いきなりそんな格好で走って来た鷹村には全力で逃げる。
何よりも嫌だったのはタオルは巻いているが、走るとちらちらと・・ブツが見えるのだった・・・。
「ワハハハハハ!!!」
「うわーーーーーん!!!」
と鷹村はジム内を走り回る。
が。
「何やっとるかーーーーーー!!!!」
という声と共にガコーーン!という音がジム中に響いた。
「か!会長!!!」
はまるで神様を見るかの様な瞳で会長を見て、後ろに隠れると思わず滲んで来た涙を拭った。
そう、ガコーンという音は会長が杖で鷹村の頭・・顔を殴った音だ。
「・・・いっ・・てぇなじじい!!!何しやがる!!!!」
と、鷹村は叫ぶが。
「何はお前じゃ!!そんな格好で何を追っかけまわしとる!この変態が!!!」
会長はそこにいた全員が納得する言葉を鷹村に浴びせた。
「何って・・!!」
と、鷹村が反論する前に、会長は他の誰かに話を聞こうと、話し始めた。
「ったく!叫び声が聞こえたから急いで来てみたら・・どういうことじゃ!」
会長は張本人らしきを見るが・・。
「・・うっ・・」
は既に涙目で、涙を拭っている。
「・・・・・・」
涙は女の武器。それが故意で無くても。
そんなの表情に会長も、う・・とたじろぐ。
「ゴ、ゴホン!・・どういうことだ?誰か説明せい。」
と、会長はジムにいた全員を見る。
すると・・・
「・・がシャワー室掃除しようとしたら、全裸の鷹村さんがいた。てだけですよ・・」
と、宮田がぽつりと何事でもないかの様にそう言った。
「・・ぬ・・そうか・・・」
会長は複雑な顔をしてを見る。
「・・・・会長・・今日・・掃除終わったら、帰らせてもらって・・いいですか?」
はしゃくりあげながら会長を上目使いで見上げて言う。
「う、うむ・・・」
会長もそんなに少しどぎまぎしながら言葉を返す。
「すみません・・ちょっと今日はもう・・・次の時にはもう大丈夫だと思うんで・・」
「あ、ああ・・まぁ特に用事もないしええじゃろ・・」
「ありがとう御座います・・」
は会長からの言葉にお礼を言うと、涙を拭いながらその場を去って行った。
そしてそんなを見て話す人々・・・・
「・・・今時、ち○こ見ただけであんなになるかー?」
と、未だにタオル一丁で言う鷹村。
「・・・知らないですよ・・・・」
と、宮田はまたもや溜息を吐き、練習に戻ろうとする。
「見慣れてない・・のかな?」
そして木村がそう続き。
「・・・ってことは・・」
と、青木も続き。
「・・・・・てことは、しょ・・・」
と言いかけた鷹村に、
「鷹村さん!!!!!!」
と一歩が慌てて突っ込んだ。
「・・でもあれはちょっとオーバー過ぎやしないか?」
鷹村を見て、この人は・・と思った後、少し考え木村は言う。
「確かに。」
青木も同意する。
「・・・・何かあるな。」
そして鷹村が愉しそうに、にやりと微笑んだ。
(・・・・さん、もう来ない方が良いかも・・・)
一歩は次にが来た時に、何かが起こりそうで・・一人そう思っていた・・・。
が次に来るのは明後日・・。
明後日に・・・皆の疑問は解ける事となる・・・・
続。
下ネタでごめんなさい・・・。
03/05/02...