それは証。
ジムの冬のバイトは・・・意外ときつかったりした・・・・。
「うひ〜〜・・寒い・・・。」
は、バイトに来てまず、ジムの外を掃いていた。
バイトはまずお掃除からだ。
そして今、季節は冬・・・この間、雪も降った・・・。
だから・・・・。
「さっむ・・・・・・。」
は一応コートは着てるが、
マフラーと、手袋はせずに箒を掃いていた。
すれば良いものを、邪魔っ気なので、
は寒くともしないでいた。
そして、掃除は濡れ雑巾を使ったり、
最後には、
シャワー室の掃除がある・・・・・・・・・・・・・・。
まぁ、お湯使って温かいから嬉しいな。
とは思っていたのが・・・・・・・・。
「うっわ・・・なんか手が赤いんだけど・・・・・。」
そんな冬のバイトを続けていては学校でふとまじまじと自分の手を見てつぶやいた。
「あれ、あんたなんかバイトしてたっけ?」
と、向かいにいた友達に言われる。
「あ、うん・・・。」
「水仕事してるの?」
「・・・いや、お湯仕事・・・。」
「・・・あんた馬鹿だね。水よりお湯の方が
皮膚の油取られて手が荒れるんだよ・・・。」
と、言われた・・・・・・・・・・・・。
「え!マジ!?」
「うん。」
「えー・・だからこんなに赤いんだ・・しかも何かひりひりするし・・。」
は手の甲をさする。
「・・・あんたそれあかぎれだよ。」
「・・・・え、あかぎれ?」
は焦る。
「うん。ちゃんとケアしなよ。」
は雑誌を見ている友達にそう言われるが・・・。
「うーん・・・でも、なんか・・・つい忘れたり塗ってる時間なかったり・・・
ハンドクリームのあのベタベタ感が嫌だったり・・・・。」
「・・・・・・そのままで良いの?しかもどんどん悪化するよ。
またこれから乾燥の季節だし・・・・。」
「そうだね・・・・・。」
という事では学校の帰りにハンドクリームを買い、
ジムのバイトに行ったのだが・・・。
(やっぱりハンドクリームぬってる時間は学校と家で寝る前とかしかないなぁ・・。)
と、手を洗うことが多いのでそう思うのだった。
そして、あまり美容に気を使わないは、
ケアを気づいた時にしかせず、さぼり・・・その結果・・・・。
「あー・・・あかぎれ酷いなぁ・・。」
と、ジムでつぶやいていた。
「・・・・何?ちゃん、手、あかぎれしてんの?」
するとそんな独り言を木村が拾った。
「え!?あ・・・はい・・・。」
は苦笑いしながら手を後ろに隠しそう言った。
まじまじと見ると、やはり自分の手は汚い・・。
あまり手入れしてないからだが・・・。
男の人に見せるのは・・・やはり抵抗が・・・・・。
と、思っているのだが、
「えー、大丈夫?見せてよ。」
と、木村は言ってくる。
「え!いや、ちょっと・・汚いんで・・・・。」
は、あはは・・あはは・・。と、笑いながら後退る。
するとドン!と、何かにぶつかった。
「うわっ!」
は弾かれて慌てて後ろを見ると・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
そこには鷹村が。
「あ・・鷹村さん・・・・・・・・・。」
は少し嫌な予感がした・・・・・。
「あかぎれってなんだ?」
そう言うと、鷹村は話を聞いていたのか、
の手をぐいっと引っ張って、手をまじまじと見出した。
「!!!」
は心の中でぎゃーー!と叫んだ。
「ちょ、ちょっと鷹村さん離してくださいよ!!!」
は手を引っ張る。
理由は一つ・・。
こんな汚い手、見せられるかーーーーーー!!
である。
「鷹村さん!本当!手汚いから見ないで下さいよ〜〜!!!」
こんな事ならちゃんとケアしてれば・・・。
とは手を引っ張りながら思う。
そんな事をが思っていると・・・。
「・・・・・・・・。」
鷹村が、じとー・・という目でを見た。
え・・・。
ちょっと不機嫌そうな鷹村にが焦ると・・。
「・・・・汚い事を恥じるんじゃねぇよ。これはお前が頑張ってるからだろ。」
鷹村はの手の甲を軽くパン!と叩いて手を離した・・・・・。
「じゃあ俺達のボコボコにされた顔は汚くって見てらんねぇってか〜。」
鷹村はの横を通りすぎながらそう言う。
「え・・・・・・・・・・・・・・。」
はその言葉に少し呆然とする・・・。
綺麗な手は確かに綺麗だけど・・・・。
それは荒れるような事をして無いから・・・。
手が荒れるのは仕事を頑張ってるからで・・・。
そして、ボコボコにされたボクサーの顔は・・。
必死で戦った証・・・。
決して汚い物では無い・・・・・・・・・・・。
それは頑張った証なのだから。
「・・・・・・・・・・・有難う御座います!」
はにっこり微笑んで鷹村にお礼を言った。
「あ?」
鷹村は思いつきでさっきの言葉を言ったのか・・少し不思議そうな顔をしていた・・。
「フフ。」
そしては嬉しそうな笑顔で仕事に向かった。
終。
2005/01/13....