留守番電話にご注意を。
【後編】












それは翌日のバイトでの事。


「おはようございますー。」


はいつも通りジムに入ってきた。


ちゃんおはようー。」

「おはよう!」


みんな挨拶する。

「・・・・・・・・。」

そして鷹村もやってきて。

「おい、昨日何なんだよ。」

憮然とそう聞いた。

「え?ああ、別に何でもないですよ。」

は真顔でさらりと言うと事務室に入ろうとした。

「何でもねーって・・・」

と、鷹村が声をかけるがは事務室へと入っていってしまった。


「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」


その様子を見ていた木村、一歩達はこりゃ今日は嵐が来るな・・と、踏んでいた。


少し引っかかりながらも、何でもないならいいけどよ・・と、
鷹村は気にするのをやめ、その後も事務的用件でに話しかけるが。




「・・・・・・・・・・・・・・。」



何かがいつもと違う。
鷹村の第六感がそう伝えていた。

いつものように笑顔がない。
笑顔はあるのだが、あくまで事務的・・・・。

「・・・・・・・。」

その事務的笑顔は段々鷹村の苛々をつのらせて行った・・・・。

そして・・・・。




「おい。ちょっと来い。」



遂に鷹村は行動に出た。


「はい?何ですか?ここでじゃ駄目ですか?」


はリングの部屋で言う。

「良いからこいっつてんだよ。」

鷹村はそう言うと機嫌悪くの腕を引っ張り、
更衣室へと連れて行った。

「ちょ!鷹村さん離して下さい!」

はそう言うが、言って聞く人間ではない。


そしてを更衣室の中にいれ、扉を閉める。





「何か文句があるならはっきり言え。」





そして鷹村は扉を背に腕をくみそう言う。


「・・・・・・・・。」


は少しうつむいた後、顔をあげた。

「何の事ですか?何にもないですよ?」

そして言う。
すると・・・。


ガァァン!!!


と、鷹村がロッカーを殴りつけた。


「・・・・・・。」


それにはもびっくりする。

「なんもねーなら何でそんな顔してんだよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

はまたうつむく・・・・。



「・・・鷹村さん・・・」


そして話し始めた。


「私・・・鷹村さんの一番ですよね?」

「あ?」

「だから女遊びもしょうがないと思ってました・・・。
あたしが一番なら良いや。って割り切って・・・だけど・・もう一番じゃないんですか!?」


は涙をぼとぼと落としながら言った。


「なんでいきなりんな話しになんだよ。」


鷹村は意味がわからなかった。


「昨日の留守電聞きました?」

「あ?ああ・・・。」

「また会ってください・・って・・・・っ・・・。」


はそこまで言うと涙があふれ、話せなくなった。



「・・・・・・・・・・。」


鷹村はしばらく考えた後、


あ、あ〜・・・。


と、鷹村は全てを悟った。
そして・・・。


「!」


鷹村はを抱きしめた。
そしての頭の上に顎を乗せ、話し始めた。


「いつ俺がお前が一番じゃねーつった。」

「・・・・・・・でも・・。」

「確かに俺さまは格好良いから惚れる女もいるけどな。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「でも、お前が一番だってわからねぇか?」

「・・・・・。」

「俺が女遊びしてるのなんでだと思う?」

「・・・・・趣味・・?」

「ばっか言え、お前の為だよ。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「お前と毎晩ヤったらお前がくたばっちまうだろうが。
 だからとっかえひっかえしてんだよ。」

「・・・・・・・・・・。」

「俺様は体力有り余ってるからな・・しゃあねぇだろ。」

「・・・・・・・っ・・。」


はそこで泣き出してしまった。
鷹村の優しさが伝わってきて・・・。


「お前は理解してくれてると思ってたけど・・・
流石に好意のメッセージはきつかったか・・ごめんな・・。」


鷹村はそう言うとを力いっぱい。
されどを気遣う優しさで抱きしめた。


「・・・・っ・・うう〜・・・・鷹村さん・・・ごめんなさい・・・。」


そしてはそうつぶやくのだった・・・・・・。








「うっし!気分も晴れたしここで一発ヤ・・・。」

「しません!!!」



は真っ赤な顔でそう叫んだのだった。















終。


2005/08/22....