乱世拳闘物語。04













「うおおおおおらあああああああ!!!!」


という鷹村の大声が聞こえる中・・・・・。

が鷹村を涙目で見つめる中・・・・・。


鷹村は弓を避け。

日本刀を持った人間を気絶させ。

その人間を持ち上げ弓からの盾にし。



次々と他の兵ものして行った・・・・。




(え・・・・・。)



もはやボクシングをしているとは言えないが、
ボクシングも役には立っているように見えるが、
鷹村は、一人で、次から次へと出てくる兵をどんどん倒していく。


(マジですか・・・・。)


兵は出てくるも、何か・・・鷹村のオーラを感じ取っているのだろう。
怯んでいる。


すると、


「おい!小者はいい!宮田を出せ!!!」


と、鷹村が叫んだ。


ざわざわと兵たちがざわつく。


「さっさとしろ!」


その声に・・・



「何やら門で暴れている者がいると聞いてきたが・・・お前か・・・。」



「あ?」



一人の少し小柄な、しかし他の兵とは違う
小綺麗な格好をした人が出てきたのがにも遠目からわかった。
会話も聞こえる。


「ぶふっーーー!!!宮田!!!お前何つーかっこしてんだよ!!
しかも髪まで女みてーに伸ばして!!ぎゃはははは!!!!!」



(あー・・・鷹村さん・・・だからその人
宮田くんじゃないから・・・よく見えないけど・・・。)


ぐったりして弓が刺さった兵を持ったまま爆笑する鷹村に、
は心の中で突っ込みをいれる。


「お前・・・賊の鷹村では・・・ないな?」


「あ?ぞく?」


そろそろ二人の方へ行った方がいいか悩む
でもまだ兵もたくさんいるし・・・怖いなぁ・・・と悩んだ挙句・・・。


「鷹村さーーーん!そっち行ってもいいですかーーー!?」


は大きな声で叫んだ。


「あ?・・・あーー・・いいぞ!!!」


と、鷹村の返事をもらったのでは鷹村のそばへと駆け寄った。

が。


(うわっ・・・。)


駆け寄る途中で見た、倒れている兵たちの、むごい姿・・・。

(顔の形変わってる・・・気絶してるし・・・死んでないかな?大丈夫かな?」

そんなことを思いながら鷹村の元へ着くが、
すぐにそんな思考はどこかへ吹っ飛んだ。


「鷹村さん大丈夫ですか!!??顔!すごい血!え、切られました!?」


そう、鷹村は遠目では余裕そうに見えたが、
実際、弓と真剣相手に素手で戦い、いろんな箇所を切られていた。

血は吹き出し、流れている。


「でーじょうぶだよ。かすり傷だ。」

「いや、大丈夫じゃないでしょう!手当・・・はできないか・・・。」


が鷹村の顔を見ながら悲痛な表情をしていると、


「・・・女連れか・・・。」


と、聞きなれた声にがさっきちらりと見たが
鷹村の傷でスルーしていた人物を見ると、


「宮田くん!!!」


思わず叫んでは口に手を当て抑えた。

そう、この人は宮田にそっくりだがあの宮田ではないのだ。

なぜなら、顔はそのまま宮田そっくりだが、
後頭部でポニーテールのように髪を長く結い、
甲冑をきて、腰には日本刀を差しているからだ・・・・。

それにこの世界が元の世界じゃないことはわかっているし、
さっき鴨川藩と青木藩が戦っていると言ったのも覚えている。


だからこの宮田の顔をした人は「宮田くん」ではない。


ことを鷹村にわからせるためにはこの場に駆け付けたのだ。


「あ、申し訳ありません。知人とよく似ておりまして。」


は丁寧にそういい、頭を下げる。


「・・・・・・。」


宮田のそっくりさんはじっとを見つめる。


「あに、見てんだよ。」

「いた!」


鷹村はそんな宮田そっくりさんにデコピンをかました。


「鷹村さん!!!!!」


もうやめて!!!これ以上ことを荒立てないで!!!

は心の中で叫ぶ。


「貴様・・・本当にあの鷹村ではないのか・・・・?」

「あ?オレ様は鷹村様だよ。」

「っ・・・・。」

(え?何・・・?なんか話?み合ってない?あの鷹村って何?)


は妙な違和感を感じる。


「・・・まぁいい。で、うちの兵を大量に使い物にならなくして何しに来た。」

「行く場所がないから、しばらくお前のところに置け。オレ様が戦ってやるから。」

「は!?」


鷹村の言葉には叫ぶ。
この人は今日何度驚かせれば気が済むのだろう。


「・・・・・・」


宮田のそっくりさんは倒れている兵を見てじっと何かを考える。
そしてを見た。

「その女もか。」

「ああ、俺の女だ。」

「え!?」


がまたもや驚いて叫ぶと、


宮田そっくりさんが大きくため息をついた。


「わかった・・・側近と話すからとりあえず中へ入れ・・・。」

「おーおー!話がわかるじゃねぇーか!」


そういうと、鷹村は、おら起きろ!と、盾にしていた兵を揺さぶる。

え?死んでんじゃないの?と、思った兵は、
鷹村に揺さぶられ、意識を取り戻すと、放り投げられた。


「おら行くぞ。」


そしては鷹村にがっしりと肩を組まれた。
なぜ肩を・・・・と、思ったが、



鷹村からは・・・血の匂いがした・・・。






続。




2022/12/22...