乱世拳闘物語。02













「どうします・・・・?」

「・・・・なにを。」


甲冑の男の襟元をつかんだまま黙っていた鷹村には聞いた。
しかし、鷹村は難しい顔をして聞き返す。

「いや・・・・なんていうか・・・この先・・・・。」

それもそうだ。さえ、質問の意味をよくわかっていない。
ただ漠然と、


どうしよう・・・。


と、思っただけなのだ。


この甲冑を来た男が言うにはと鷹村がキノコを採りに来た、
猫田のペンションの近くの場所が、


『鴨川藩』と『青木藩』の『合戦場の一つ』になっているらしい。


どう考えても・・・・何か・・・どこか違う時空に来てしまったんだろうな。
は柔軟に考えた。

(夢じゃなければね・・・。)

と、頬をつねったが、痛いので、どうやら夢ではなさそうだ。



「・・・お前、さっき宮田とか言ったな。」



すると、鷹村がそんなことを甲冑の男につぶやくように言った。


「あ、ああ・・・」


「・・・・宮田のところに連れてけ。」


「ええ!!??」


は叫んだ。


「いやいやいや!!!ちょっと待って下さい鷹村さん!!」

「あんだよ。」


鷹村が怪訝な顔でを見る。
前髪が下りているのでかっこいいが、今はそんなことを考えている場合ではない。
は思いながら、

「宮田様とか言ってたから、多分、宮田君じゃないですよ!?私たちの知ってる!」

「・・・んなこたぁ、わかってるよ・・・。」

「じゃあなんで!」

「・・・・宮田と同じ顔が殿様やってたらおもしれぇだろ。」

鷹村がニタァと笑った。
はこの人はアホかと心底思った。


「あの顔がちょんまげつけて座ってたらおもしれぇだろ!!!」


鷹村は、がっはっは!と、笑っている。



(この人・・・・バカだ・・・・・知ってたけど・・・・。)



は無になった瞳で鷹村を見つめながら、
単独行動しようかな・・・と、考え始める。


「それに、あいつが殿様ならオレ様なら勝てる!
オレ様が勝って殿様になる!そして女をはべらす!!!」


「・・・・・・。」


再度、瞳が無になった。


(いや、そもそも鴨川藩って言ってたから、宮田様って人は殿様ではないと思うし、
多分、行ったら物凄い数の兵がいて、鷹村さんでもまずいんじゃ・・・・。
鷹村さん負けたらあたしどうなんの・・・やだよ・・・二人で逃げようよ。)


はそう思い、鷹村さん・・・と、言おうとするが・・・・。


「おう!小者!宮田のところ連れてけ!」

「は、はいぃ!!」

「っ!鷹村さん!!!」


鷹村はもう『宮田様』のところへ行く気満々である。

甲冑をつけた男を離すと、背中を叩き、案内をさせ始めた。



(あー・・・あたし死んだわ・・・殺されるだけで済めばいいけど・・・・。)



はこの先の地獄を想像して、ぞっとした。








2009年の1話から、13年の時を経て、連載再開しましたwwww
よろしくおねがいしますwww


2022/10/24...