お家へ行こう!
〜千堂さん編〜
04
「おや?武士あのお嬢さんは?」
「ん?何や飯できたんかい。」
が寝てしばらく経った頃、居間に鍋を持ったおばあさんがやってきた。
「そや、今日はあったまるようおでんにしたで・・・で、お嬢さんは・・・?」
「あー・・・あいつわいの部屋で寝とる・・・。」
「寝てはるのか・・・?」
「ああ・・・今起こしてくるよって・・・・。」
と、千堂は立ち上がった。
そしてがらっと千堂の部屋の襖を開ける。
「・・・・・・・・・・・。」
は爆睡しているようだ・・・・。
千堂は苦笑い・・・・・。
「おー、飯できたでー、起きーやー。」
と、襖の位置から声をかけてみる・・・。
「・・・・・・・・・・・。」
しかし応答なし。
「・・・っ・・・ー!起きぃやー!」
千堂は声を張り上げた。
「・・・・・・・・・スカー・・・。」
しかしは爆睡していた・・・・・。
「・・・・・・・はぁ・・・。」
千堂はぼりぼりと頭をかく。
千堂は近寄りたくなかった。
寝ているに近寄りたくなかった・・・。
が、しょうがない・・・。
との肩を揺すって起こす為の方へと歩いて行った。
「スー・・・・・・・」
の顔が見える位置まで行くとは千堂に背を向けて寝ていた。
その事に少し安心した千堂はの肩を揺すった。
「飯やて。起きーやー。」
「う・・・・・ん・・・・。」
するとはごろんと千堂の方を向いた。
「・・・・・・・・・・。」
女の寝顔を間近で見た千堂は・・・・・・少々、顔を赤らめて、はぁ・・とため息をついた。
千堂は思わずにはいられなかった・・・・。
かわええ・・・・・・。
と。
「!!!」
しかしそんな事を思っている自分に恥ずかしくなった千堂は
バババッと頭を振るとを起こす事に専念した。
「ほれ起きぃ・・・・。」
と、肩を揺する。
その肩も細くて柔らかくて・・・・・・・。
あーもう頼むからはよう起きてくれ・・・。
と千堂は心の中で頼んだ。
「ん・・・・・千堂・・・さん・・・。」
するとはうっすらと眼を開けた。
「おお・・起きたか・・。」
と、千堂はほっとする。
「うーん・・・よく寝たー・・・。」
は肘を立て、起き上がり伸びをした。
(ほんまよう寝てたわ・・・・。)
千堂はもう些かうんざりである。
「あ、ご飯できたんですか!」
は髪を整えながら千堂に聞く。
「おう、出来たで。」
「わーい!ご飯ご飯!良い匂い!」
とは嬉しそうに布団から出て、布団をきちんと正すと、立ち上がり居間へと向かった・・。
(・・・・こいつは・・・。)
普通寝顔見られたとか恥じらいという物があるだろう・・・・。
と思いながら千堂もの後に続くのだった・・・・・・。
そしてその後は千堂とおばあさんとご飯を食べ、
制服も乾いた頃、千堂に送られて帰路についた。
肝心の雑誌やらビデオはすっかり忘れて
千堂家一日体験をは満喫したのであった・・・・。
そしてその夜・・・・・。
「は〜・・・今日は疲れたわ〜。」
と、布団に入る千堂・・・。
「・・・・・・・・・・。」
しかし布団に入り横になり、布団をかぶった途端・・・。
ガバッ!と布団をはぎ、上半身を起こした。
「・・・・・・・・・・・。」
千堂は一人ドキドキしていた・・・・。
何故なら・・・
布団にはの残り香が・・・・・・・・・・・・・。
柔らかく・・優しい香り・・・・。
が寝ていたから当然であるが・・・・・・・・。
千堂武士、現役高校生・・・・・・こんなんじゃ寝られない・・・。
「こんなんで寝れへんわーーーー!!!」
千堂は一人赤い顔をしながら、ばし!と枕を布団に投げつけたのであった・・・。
こうして夜はふけるのであった・・・・・。
終。
2003/11/28....