温と冷。
朝起きて。
走って。
飯食って。
ジム行って。
帰って来て。
飯食って。
寝る。
一人で過ごす、そんな生活が当たり前だった。
別にその生活に何の文句も不満も・・何も思わなかった。
それが当たり前だったから・・・・・
だけど・・・・・
「あ、おかえりなさい〜。」
部屋のドアを開けると笑顔で迎えてくれる人が居る・・・。
一緒に晩飯を食う人がいる・・・。
一緒に笑って。
一緒に過ごして。
一緒にいる人がいる・・・・。
今、前の生活に戻ったら・・・
俺は前と同じように何も思わずにいられるだろうか・・・。
ドアを開けると暗い、人のいない冷たい部屋が待っている・・・。
そんな部屋を見たら思ってしまうだろう・・・。
淋しい・・・・
と。
今のあたたかさは幸せだけど・・・。
時折、恐怖感に襲われる・・・。
この幸せがなくなったら・・。
俺は一人でまたやれるのか・・。
もしかしたら、一度入ったら抜け出せない所に入ってしまったんじゃないだろうか・・。
入らなければ良かったのかもしれない・・。
ずっと一人でいれば良かったのかも・・・・。
そう思ったが・・・・・。
「鷹村さん!」
こいつの顔を見たらそんな考えは吹っ飛ぶ。
今はこの幸せを味わっていて良いだろうか・・・。
今はこのあたたかさの中に浸かっていても良いだろうか・・。
今は・・・ただ・・・この温かさの中にいたい・・・・・・。
終。
2006/05/14....