ぬくもり。













それは鷹村がぼーっとテレビを見ている夜の事だった・・・。


コンコンコン。


と、ドアを叩く音がした。

ああ?誰だ?

と、思いつつ鷹村は立ち上がりドアを開けた。


「あー?・・・・・て・・・。」


そこには結構な夜の時間にも関わらず、
が立っていた。


「お前・・・どした。」


鷹村は意外な訪問者に面食らいながらもそう言った。

するとは・・・・。




「・・・・・・・・ごめんなさい・・・。」



と、ぎゅっと鷹村の服を掴みながらそう言った。


「・・・・・・・取り合えず入れや。」


鷹村は尋常ではないの様子を見て、
頭をぼりぼりかきながらを部屋へとあげた。






「・・・んで?どした。」


鷹村はどかっと座りはそんな鷹村の背中の部分の服を
未だぎゅっと掴みながらぽつりと話し始めた。


「・・・・テレビで・・・好きだった作家さんが死んだの。」

「ああ・・・さっき速報でやってたな。」

「・・・・一昨年の今頃、友達が死んだの。」

「・・・・・・・・・・・。」

「それで・・・怖くって・・・・・っ・・・鷹村さんが
いなくなっちゃわないかって思って・・・怖くって・・・・・。」



「だから来たの・・・・・・。」



は震える声でそう言った。


「鷹村さんがいなくなったらあたしどうしようって!
怖くって怖くって・・・考えてたら怖くてどうしようもなくて・・・っ。」



は泣き出す。
しゃくりあげながら話した。
には耐え切れない重みだったらしい・・・・。


「・・・・・・・・・・・。」


そんなに鷹村は・・・。


「!」


「・・・ほれ、ちゃんと俺様はここにいるだろうが。」


を抱きしめた。


「何考えてんだかしらねぇが、俺様がそんな簡単に死ぬわけねぇだろ。俺様は不死身だからな。」


と、鷹村は言う。


「・・・・・不死身なわけないじゃない・・・。」


は鷹村に抱きしめられ、鷹村の体温を感じ、
安心したのか少し笑いながら言う。

「ああ?熊をも倒した男に何を言う。」

すると鷹村さんはふん!と言い放った。


「・・・そっか・・・・鷹村さんは不死身なんだ・・・。」


は安心したのかフフフと笑って鷹村の
大きな身体に身を預けた。









願わくば、このぬくもりを出来るだけ長く感じていれますように・・・・・・・。













終。


2005/08/10....