守。
「めり〜くりすま〜〜す!いぇーい!」
「うるせぇよ!」
とっぷりと暮れたクリスマスイブの夜道。
居酒屋からの帰り、赤い顔をしてふらふらと歩くを、
鷹村は呆れた顔をして、少し後ろから見て歩く。
「もー!どうしていつも鷹村さんは一緒に酔ってくれないんですか〜!?」
するといつもの絡みがはじまった。
「はぁ・・・。」
鷹村はため息をつく。
「なんでため息つくんですか!」
鷹村の袖を引っ張りは叫んだ。
「うるっせぇなぁ、オレ様が酔ったらお前みたいな酔っぱらいの面倒誰がみるんだよ!」
すると鷹村も顔を至近距離で言い返す。
「別に面倒なんてかけてないじゃないですか!大丈夫ですよ!二人でよっぱらったっ、ひゃ!」
「おら・・・言ったそばから階段ずり落ちてんじゃねぇか。この酔っ払い。」
「・・・・・・。」
黙ったまま崩れた体制で、鷹村に腕を掴まれてしりもちをつくのを逃れたは、
体制を立て直すと黙って少しむっとして先を歩いた。
「私はただ、楽しく鷹村さんとお酒が飲みたいだけなのになー!」
「家で飲めばいいだろ。たまに飲んでんだろ。」
「外で飲みたいんです!家と外じゃ違うんです!」
「チッ・・・うるっせぇなぁ・・・。」
「鷹村さんと居酒屋で楽しくお酒が飲みたいんです〜〜〜!!!」
今度はは泣き始めた。
鷹村はため息をつく。
こんな馬鹿げた話に付き合うのもこの女くらいだ。
しかしの言い分もわかる。
オレ様だって、本当は二人で飲み屋で酒を思いっきり飲みたい・・・だが、
大して飲まなければ酔わないが、酔ってしまった後、
うっかり、酔っ払ったこいつに何か起こったら後悔してもしたりない・・・・。
とくにこいつは酔っ払うとあてもなく夜の街をふらふらする癖がある。
今だって『遠回りして帰りましょう!』とか言って、
薄暗い裏路地をふらふらと歩いている・・・。
何かあってからじゃ遅ぇんだ。
「うるせぇ!外じゃ飲んだあと、すぐセックスできねぇだろ!!」
鷹村はの耳を掴んで一喝した。
「・・・セックスセックスってこのエロ魔人が!!!」
そう言うとは鷹村を突き飛ばした。
鷹村の心中も知らずに。
「うるせぇ!早く帰ってセックスするぞ!」
「しませんよ!もうお家帰ります!帰ります!」
「帰さねぇよ!」
だが、それでいいのだ。
鷹村は思う。
は知らなくていい。
ただ、知らずに守られていればいい。
俺が守りたいのだから。
終。
2020/12/24...