君の声・・・。
敵地では当たり前・・・。
試合では僕の名前を呼ぶ人など一人もなく・・。
でも、別にそれでも良かった。
声援や、応援など関係無い。
僕の敵は一人・・。
僕は幕之内とボクシングをするんだ・・。
だから応援など関係無い・・・。
それに僕の心の中には
祖国の誇りが有る。
国に残してきた母さんがいる。
だから・・周りに僕を応援する人が一人もいなくても・・
僕は平気だ。
闘える・・・。
でも・・
「ヴォルグさん!頑張ってー!!」
たくさんの幕之内の応援の中から・・・
掻き消されそうな一つの声が僕の耳に届いた・・。
「・・・・・・・・。」
僕は空耳かもしれないその声がした方を振り返った。
そしてそこに君はいた。
僕を見て、僕を応援してくれていた・・。
君は鴨川ジムの人間じゃないのかい?
と、敵の僕を応援している彼女が可笑しくて・・
ついクスっと笑ってしまった。
そしてそんな僕を見て・・君は戸惑った顔をしていた・・。
OKー・・僕は闘える。
たくさんの声援が無くとも・・
君と母さんの・・大切な人の応援があれば僕は闘える・・・。
勝ってみせる・・・・・・幕之内一歩に・・・。
終。
2003/05/10....