看護記録。
02
(えーっと・・・まず何しよう・・・。)
は散らかった汚い鷹村の部屋で思う。
こんな部屋に居れば風邪もひくよなぁ・・と思いながら、
(風邪で寒い時はこれから熱出るから暖めてあげた方が良いんだよね・・・。)
は鷹村の布団をぺらっとめくった。
「!?」
そして唖然とする。
「ちょっと鷹村さん!!!寒い寒いって上半身裸だったら
寒いの当たり前じゃないですか!!!風邪ひいてるっていうのに!!!!」
は鷹村に怒鳴った。
鷹村は上半身裸で下はスウェットを履き、掛け布団一枚でくるまっていたのである。
「あ〜・・・・・?」
眠っていたらしい鷹村は、の大声で少し眼を覚まし布団から顔を出した。
「鷹村さん、上、服着て下さい。服どこにあります?」
はうっすらと眼を開いた鷹村に聞く。
しかし・・・。
「あ〜・・・。」
と、また布団にもぐってしまう。
「ちょ!ちょっと鷹村さん!!!」
そんな鷹村には、ああ!もういい!!と勝手に部屋を探り、
積み重ねてある服の中からトレーナーを見つけ出した。
そして以前開けたらエロ雑誌やらビデオが出てきた押入れを
そっと開け、今度は雪崩がおきない事を確認すると
押入れを開けて、ぐちゃぐちゃな中から
毛布か何かかける物を探した。
掛け布団一枚じゃ寒い。
がさがさと押入れの中を探すと、
下のほうに毛布一枚と、もう一枚掛け布団があった。
しかし、結構ほこりにまみれている・・・・・。
(干すか・・・・。)
と、は思い、毛布と布団を引きずり出すと、
がらっと窓を開け布団をばさばさと振り、ほこりを落とし、干した。
「・・・・・・寒ぃ・・・。」
すると布団の中から鷹村が文句を言う。
誰の為にやってると思ってんだ・・・。
と、は思いながらも窓の外で
さっき見つけたトレーナーをばさばさと振ると、
窓を閉め、鷹村の元へ向かった。
「鷹村さん、これ着てください。そんな格好じゃ寒いの当たり前ですよ。」
べろんと布団をめくり鷹村にトレーナーを差し出した。
「・・・・・・。」
鷹村は布団をめくられ少しムスっとし、
半分寝たまま上半身だけ起き上がると、素直にトレーナーをもぞもぞと着た。
「はい、それで寝ててください。もう少したったら毛布と掛け布団もう一枚かけますから。」
は言う。
「ああ・・・・。」
そして鷹村はまた布団にもぐった。
「・・・・・・・・・・・・・。」
はそんな覇気の無い鷹村を見てなんだかなぁ・・・と思いながら、
布団を干している間に部屋を少し片付ける事にした。
散らばってるエロ雑誌やボクシング雑誌を一箇所に重ねて。
またもや散らばってる衣類を一箇所に集めて。
食べたら食べっぱなしのゴミは分別して捨てて。
大分部屋が綺麗になった。
「けほっ・・。」
しかし、部屋は片付けたせいかほこりがまっている・・・。
はまた窓を開けて布団を取り込んで空気も入れ替えよう。
と、思い窓を開けた。
そして布団叩きなどという気の利いた物はこの部屋には無いので、
手で布団を叩き、ばさばさと毛布と布団を振り、取り込んだ。
空気も大分入れ替わり、新鮮な空気が部屋を占める。
そしては毛布と掛け布団を引きずり、鷹村の元へ・・・。
「鷹村さーん。毛布と布団出来たんでかけますよー。」
べろっと布団を鷹村から剥ぎ取る。
「・・・・・・・・・・・・・。」
しかし鷹村は布団にくるまり、布団を放さなかった。
「ちょ!ちょっと鷹村さん!!布団放してくださいよ!!毛布かけられないじゃないですか!!」
何してんだこの人は!?子供か!?とは呆れながら、
しかし容赦なく布団を剥いだ。
そして毛布をかけ、掛け布団をかけ、もう一枚掛け布団をかけた。
「・・・・・・・重いですか?鷹村さん・・・。」
流石に布団三枚は重いかな?でも薄い布団だし・・・。
と、はあはは・・・と空笑いしながら思いながら聞いた。
「・・・・・重ぇ・・・。」
毛布と掛け布団をかけたら、布団から顔は出している鷹村は
眼を閉じたりうっすらと開けたりしながら答える。
「あ・・・やっぱり。じゃあ一枚掛け布団取りますか?」
とが布団を一枚取ろうとすると・・・。
「あったけぇからいい・・・・・・・。」
がっちりと鷹村は布団を掴んだままだるそうに眼を閉じて答えた。
「・・・・・そうですか・・・。」
はそんな鷹村が少しおかしくなりクスッと笑いながら返事をした。
「熱はどうかな・・・・。」
さっきは微妙にあったっぽいけど・・・。
と、は鷹村の額に手をのせ、そのまま頬に手を動かした。
普通、熱を見る時は額だけに手をのせるだろうが、
の場合は額から頬にかけて顔をさする様に手を動かす。
これはが熱を出すと母にやられていた事で、
額よりも頬の方が熱を感じやすい事も有り、もそうしていた。
「・・・・・・・・・・。」
すると鷹村はうっすらと目を開いた。
熱・・・有るよなぁ・・・・。
と、自分の頬に手をのせ、自分の額や頬を触り、
比べているを見て鷹村はふと思う・・。
(手・・・・あったけぇ・・・・。)
鷹村は自分の頬に触れる涼 の手のひらから温かさを感じていた。
それに只、温かいだけでは無く、手から伝わるの温かさにどこかほっとする・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・。」
鷹村は仰向けの自分の頬に置かれている の手をガッと掴んだ。
「え?」
は手首を掴まれて何事かとギョッとしていると・・・・・。
「うわぁ!!!!」
そのまま鷹村にぐいっと腕を引っ張られた。
「うわうわ!!」
そしてボスン。と鷹村の上に崩れる。
「鷹村さん!?」
「・・・・・・・・・・・。」
が何!?と焦っていると
鷹村はそのまま自分も寝返りを打ち、ばさっと片手で布団をめくり、
を片手で布団の中に入れ、そのまま抱き込んだ。
「ちょ・・・・鷹・・・村・・・さん・・・・・・・・。」
そして布団の中ではすやすやと眠る鷹村と、
鷹村に抱き枕にされ、硬直しているが居た。
2025/02/19...