道頓堀ダイブ。












「・・・・・・。」



は居間で暇つぶしに一人、テレビを見ていた・・・。
ピッピッピッとリモコンでチャンネルを変える・・・。


『さぁ!阪神優勝となりますか!』


するとテレビのニュースからそんな声が聞こえてきた。


「あ、阪神優勝今日決まるんだ〜。」


はそんな一人ごとをつぶやいた。

あまり野球に興味がない
地元のチームだが引っ越してきたは特に気にしてはいなかった。
でも、最近、やたら周りが騒いでたのは覚えている・・・。


そしてそのニュースを見ていると・・・。





『阪神優勝です!阪神優勝が決まりました!!!
さぁ!この吉報をうけて道頓堀はどうなっているのでしょうか!』




テレビ画面には道頓堀の橋に大勢の人・・・。


「うわ・・・あの有名な道頓堀ダイブやるの・・・?
確かあそこの川すっごい汚いし浅いんだよね・・・・。」


は数日前見たニュースでの説明を思い出す。




『ああ!一人の青年が橋の上に立ちました!ダイブするのでしょうか!?』




がそんな事を思いながら見ていたら、
どうやら血の気が有り余っている若い兄ちゃんがダイブするようだ。
うわー・・とがズームアップされたその青年をみると・・・。



『ロッキー!いけー!』

『飛び込めやロッキー!』


『おうまかしとき!!!!』




『カメラの近くにいる事と人々の大声で会話が少し聞こえてきます・・・。
青年はロッキーと呼ばれてますが何者なのでしょうか?彼は飛び込むのでしょうか!?』










「・・・・・・・・・・・・・・。」









はテレビの前で固まった。




『ローッキ!ローッキ!!』


『な、何だか大勢の人々のコールが聞こえてきます。彼は飛び込むのか!?』





『いよっしゃーーーーーー!!!』










バッシャーーーーン












『飛び込みました!道頓堀ダイブ第一号です!今・・・・・』







プツン



「・・・・・・・・・・・・・・。」



は無表情でテレビを消した。




「はぁ・・・・・・・・・・・・・。」




そして頭を抱えながらテーブルに顔を突っ伏したのだった。












終。


2003/09/18....