でも、それはきっと昔の話。
















「おげんきですか?ぼくはあめりかで、げんきしています。」





ヴォルグさんからの手紙が来た。

はじまりはいつもこの文。

慣れない、いびつな日本語で、一生懸命書いてくれている。




ヴォルグさんがボクシングをやめてロシアに帰り、
また日本に来てアメリカに旅立ってからどれくらいたっただろう。


私とヴォルグさんはこうして手紙のやりとりをしている。



事の発端はヴォルグさんがロシアに帰り、
私が自分の気持ちに気づき、再会して想いを伝えたからだ。

最初断られたけど、断られた理由に納得いかなかったから何度もアタックした。



その結果がこの遠距離恋愛だ。


でも満足している。




ヴォルグさんの身内はもういない。

アメリカで一人必死に厳しい世界で闘っている。

でも、それはきっと昔の話になるだろう。



「さみしいです。でも、いつもこころにあなたがいます。

あなたのしゃしんもあります。

おかねができたらでんわもします。




あいしています。」















終。



お題屋さんのお題をお借りしました!ありがとうございました!




2019/01/11...