誰も知らない。
【前編】













それはが手帳を見ているときだった・・・。


「はー・・夏休みももうすぐ終わりかー・・。」


と、言いながら手帳を見ている。
すると・・。


「あ!」


は思わず叫んだ。



「27日宮田君の誕生日だー・・・。」



はそうつぶやくと、携帯を手にベッドの上に寝転がった。
そしてカチカチとメールを打つ。


「送信・・っと。」














ブブブブ・・・。


そしてその次の瞬間、遠く離れた家で、マナーモードにされた携帯が揺れた。


「・・・・・・・・。」


その携帯の持ち主は、読んでいたボクシング雑誌から、そのぱっちりとした瞳を携帯へ向けた。
その携帯の持ち主は・・・・



「・・・・・やっぱりか。」



つぶやく声も美しい宮田一郎だった。

やっぱり。というのは宮田の携帯にはほとんどメールが来ず、来ても大抵からだからだ。
そして宮田はメールの中身を見る・・・・。


【こんばんわー、まだ起きてるかな?
 今、気付いたんだけど宮田君27日誕生日だよね?
 何か欲しい物とかあるー?
 誕生日プレゼントであげるよー。あ、あんまり高いものは駄目よ。】




「・・・・・・・・・・。」


宮田はメールを見た後、欲しい物・・・と、考え。



(・・・・・お前・・。)



と、一瞬そんなことを考え、そんな自分にため息をつく。
そしてメールの返事を打つ。




ピロンピロン。というメール着信音が聞こえ、

「あ、宮田君起きてた。」

は携帯を手に取り返事を見た。




【べつに】




そしてうなだれる。

宮田からのメールはいつもこうなので、なれてはいるが、
やはり一言・・・しかも『。』もなしの短いメールに、
夜遅くに迷惑だったかな?とはちょっとへこむ。

されど、負けずには返事を打つ。







ブブブブ・・。



「・・・・・・・・」


また来たか。
と、宮田は寝っ転がっていたベッドの脇に置いておいた携帯を手にする。
メールの差出人はもちろんだった。


【べつに・・・ですか。
 んー・・じゃあ何か適当に見繕って
 誕生日にお届けに参ります!お楽しみに!】


そんなメールを見て、


「何かって何だよ・・・。」


と、宮田はつぶやくのであった。
しかし、ほんの少し微笑んで。










続。


2005/08/27....