第1回戦。







このお話は、私が千堂と一歩は歳が同じだと思っていた頃に思いついたネタで、
一つ歳が違うと知った今でも書きたいなー・・だってそうすれば・・・・・。
と思っていて、書きたいので書いてみました。
『原作設定変えるな!!!』
と、お思いの方はどうぞ、読むのをお控え下さい。
読みたい方だけどうぞ。









「あ〜・・・一歩君、新人王戦どうするんだろう・・・。」






それは一歩と千堂の新人王戦が行われる前の事・・・。




はロッカー室の掃除をし終え、
リングのある部屋へと廊下をぺたぺた歩きながら
新人王戦の事を考えていた・・・。




(会長は駄目だ・・って言ってたけど・・何か一歩君やりたそうだし・・。
でも、怪我が治らなきゃね〜・・・・でも・・相手は・・・・。)




が考えながら歩いていると
ぎゃあぎゃあと騒ぐ声が扉の向こうから聞こえた。

扉の向こうはリングのある部屋・・・・・。


なんだろ?とは思いながら扉を開けた。









「何騒いでんです・・・か・・・・。」








と、言い終えては我が目を疑った。






「幕之内!わいと試合せぇ!!」





そこにはいるはずのない人がいたからだ。



そう・・・・・・・・








「千堂さん!?」







「・・・あ?」





こっちを見た顔はまさしく、懐かしいあの顔だった。


そう、そこにいたのは西日本チャンピオンの千堂武士。





「・・・・・・・・・・・?」




そして千堂はぽつりとつぶやいた。




!?」



「千堂さーーん!!」




は千堂に抱きついた。




『・・・・・・・・・・・・・・・・。』




鴨川メンバーはその光景をえ?と、唖然と見ていた。





「え!?なんでや!?なんでお前ここにおるん!?」




千堂はに抱きつかれ、赤くなりながら少しパニック気味である。




「わー!千堂さんだ!千堂さんだ!!久し振りですねー!!!」




そしてパッと千堂から離れたは嬉しそうに微笑みながら千堂にそう言った。





「直に会うのは久しぶりやけど・・・・・。」





と、千堂も少し嬉しそうに手を口元にあてながら照れたように言う。












「はい。ちょっと待った。」












「「へ?」」




再会を喜び合う二人に木村がストップをかけた。





「ど、どういう事?ちゃんと千堂・・・知り合いなの?」





木村は少し焦りながら言った。
それは突然の事に自分も驚いているのもあるが・・・。






背後にたたずむ巨体が不機嫌なオーラを出しまくっていたからである。








「あ、そっか。皆さんには話してませんでしたね・・・。」



はやっと鴨川メンバーを眼中にいれる。




「私、高二で一歩君と同じ学校に転校してきたじゃないですか、あ、してきたんですよ。
一歩君は知ってると思うけど・・・それで、引っ越してくる前は大阪にいて・・・・。」






「わいと同じ高校やったんや。」






な。と千堂。
ね。と


2人は笑顔で顔をあわせる。






「・・・・ああ・・そう・・・。」


「へー・・そうなんだ・・・。」





頼むからそれ以上いちゃいちゃしないでくれ・・・。
と、青木と木村の2人は背後にいる、
かなり眉間に皺を寄せた理不尽大王のオーラを感じ取りながら思う・・。




(おい・・お前が切り出せよ・・。)

(ええ!俺かよ!)

(俺、最初切り出しただろ!)

(わかったよ・・・。)




木村と青木の2人はひそひそ小声で話ながら
ある事を切り出そうとしていた・・・・。





「で、でもただのクラスメイトにしては仲良いよな・・・・。」




と、青木が引き攣った笑顔で言った。





「ああ・・・それは・・・。」



「ああ〜・・・・。」




2人は微笑みながら言葉を濁した。





(ヤバイヤバイヤバイ・・後ろがマジやばいって・・。)

(やっぱりこの話切り出したのまずかったか・・・?)

(いや、でもはっきりさせといた方が良いし・・・・。)

(だよなぁ・・・・。)





と、木村と青木の2人はいつ後ろの猛獣が
暴れ出さないか冷汗ダラダラで小声で会話をした。








「私・・・千堂さんの・・・・・・」





するとが口を開いた。



ゴクッ・・。



と、2人はこの後のジムの惨事を想像する。
しかし・・・。






「ジムに行ってたんです。」






はにっこり笑った。




「え?」



「へ?」




予想外の言葉に疑問符を投げかける二人。




「千堂さんと同じクラスで、ちょっと機会があって、
千堂さんのジムでボクササイズしてたんですよー。
ああ・・あの時も楽しかったなぁ・・・柳岡さん元気ですか!?」




は千堂に聞く。




「おう!柳岡はんめっちゃ元気やで!!
きっとお前が幕之内のジムにおるっちゅうこと知ったら腰抜かすで!」




千堂は笑顔で答える。





「そうか・・・・同じクラスで同じジムで・・・。」


「そりゃ、ただのクラスメイトより仲良いはずだよな。」





と、2人は少しほっとした。

それに、2人が恋人同士・・・て感じもしないので・・・。



しかし・・・・・。






「・・・・・・・・・・・・・・・・。」






鷹村はそう聞いてもまだ不機嫌だった。
何故なら、





が引っ越して転校して来た事もしらなかったし。


引っ越してくる前は大阪にいたなんて事も知らなかったし。


千堂と仲が良いという事も知らなかったし。




当然だが、千堂とが過ごしていた大阪での時間も知らない・・・・・・。





別には鷹村の女では無いので。
も別に話さないでいた。

鷹村も別に自分の女では無いので、
聞かないでいた。

まぁ、まさかこんな劇的過去があるなども知らなかったし。




しかし何だろう・・・・・。








このムカつきは・・・・・・・・・・。














「いやー、もう本当懐かし・・・うわっ!!」







がにこにこしながら千堂と話していると、
突然後ろからぐいっと首を腕で挟まれ、後ろに引っ張られた。

と、と、と。とが引っ張られてドンと何かにぶつかり上を向くと・・・。




「え・・鷹村さん・・・・?」




そこには鷹村の顔があった。
そう、いつの間にかの背後に来た鷹村は、
後ろからの首を腕で挟み自分の方へ引き寄せたのである。




「え・・・・・。」




が戸惑っていると・・・・










「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」













(・・・・なぁ・・俺には千堂と鷹村さんの間に火花が散ってるのが見えるんだけど・・。)

(俺には2人の背後に落雷と虎と鷹が見える・・・・・・・。)



と、睨み合う千堂と鷹村を見て、木村と青木はお互いの眼に見えたものを言い合った。










「・・・なんすか?鷹村さん・・・。」



まず、切り出しのたのは千堂。



「お前、一歩に会いに来たんだろ。一歩なら後ろにいるぜ。」




そしてを挟んで二人は話し出す。



「そんなことより、わいは今、偶然再会したと話したいんですけど。」




そんなこと呼ばわりされる一歩・・・。
千堂の本来の目的はもうどこかへ行ってしまったようだ。




「悪ぃがこいつには俺様がこれから用があるんでな。」



「なんや、気がききまへんなぁ・・鷹村さん・・・。
せっかく再会した2人をひきはなすつもりですかい・・・。」



「そんなもん俺様には関係ねぇんだよ・・・。」







「「・・・・・・・・・・・・・・・・。」」







2人の間に火花が散る。
何だか凄い険悪なムードには・・・・。








「あ・・・あの・・・あたし・・千堂さんと、もう少し話したいんですが・・・。」







と、言ってはならない事を口にした。


その瞬間、ピシャーン!と鷹村の頭上に雷が落ちた。




「・・・ほな、そういうことや鷹村さん。
がこう言っとるんやから渡してもらおうか。」




千堂はにんまりと得意げに言う。







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」






ずもももももも・・・。と暗雲立ち込めた鷹村は
顔を上げた。






「うるっせぇな!!このジムのもんは俺様の物!!ジムの人間も俺様のもんなんだよ!!!
だからも俺のもんなんだよ!!!俺様が用があるつーんだから、こいつは俺様と来るんだよ!」







そしてガア!とジム中に響き渡る声で叫んだ。
しかも機嫌も最高潮に悪い・・・。




はっきり言って、かなり怖い。




「・・・・・・・・・・っ・・。」




も顔が引きつった・・・。






「・・・・・なんやそれ・・・筋通ってないやないかい・・・。」






しかし、そんな鷹村を怖れず、勇敢にも挑戦する人物がいた・・・。


そう・・その人は数多の喧嘩をくぐり抜けてきた男・・・。




千堂武士・・・・。








ここで引いたら負ける。



野生の勘がいつものように千堂にそう伝えていた。








「ああん?なんだとコラ。」


鷹村の額に更に青筋がますが、


「そんな筋通ってないことにうなずけへんわ!」


千堂はなおも言う。








(おいおいおい・・・ちょっとこれマジでまずいんじゃねぇの・・?)

(マジやべぇな・・・・殴り合いになるぞ・・・。)



睨み合い、ガンを飛ばしあいながら近寄る二人を見て、
木村と青木は焦った。かなり焦った。


どどどどうしよう・・・。



と、思ったその時だった。





「た、鷹村さん!!!」





静まり返ったジムにの声が響いた。





「よ、用があるんですよね!?早く行かないと!!私行きますから!ね!」




が焦りながらほらほらと、首にある鷹村の腕を叩きながら言った。





「・・・・・・・・・・。」





その言葉に鷹村の苛立ちが少し減った。



「な!・・・!」



と、千堂がちょお待てや!と、言おうとすると




「千堂さんはまた後で!ほら、今、あたしもバイト中だし!
仕事さぼるわけには行かないから!
バイト終るまで待っててくれたら一緒にうち行こうよ!
お父さんとお母さんとかも会ったら嬉しがると思うし!」




ね?と、その場を静める為には言ったが・・・・









お父さんとお母さん・・・・・?









ジムの人間はその言葉に突っ込む。


親公認なんですか!?


と。




そして当然・・・・・・。






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」






いったんおさまった鷹村の苛立ちが増した。



「・・・・・。」



それを見て千堂は・・・。





「そうか、せやな。今、バイト中やもんな。
終るまでまっとるから終ったら家連れてってや。
久し振りにお袋さんとおやっさんに会いたいわ。」






に〜。と鷹村に得意げに言った。




「・・・・・っ・・・!」




その態度に腹がたち、鷹村がまた何か言おうとしたが・・・。




「さぁ!鷹村さん!練習練習!!行きますよ!!!」



に遮られた。




「ほなな〜♪」




と、千堂も行ってしまう。








「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」










フツフツと煮えたぎるこの怒りをどこにぶつければ良いのだろう・・・・。



鷹村がそう思った時・・・・・





「え?」


「へ?」





木村と青木が眼に入った。








「「え・・え・・・えええええ〜〜〜〜!?」」




















その後、青木と木村がどうなったかは不明である・・・。





虎対鷹。1回戦。





軍配は千堂に上がった・・・。















終。


2004/08/18....