あたたかな居場所。
五月のとある昼下がり。
カンカンカンと鷹村がアパートの階段を鼻歌交じりに上る。
二人分の飲み物をビニール袋に入れて、ガチャッとドアノブを握って開くと、案の定ドアが開いた。
鷹村はチッと舌打ちをして少し乱暴に扉を閉めて靴を脱ぎながら部屋の中へとはいる。
「おい!!鍵しめとけっていった・・・」
しかし、部屋の中の風景を見て、ぐっと言葉をつまらせた。
そこには、綺麗に掃除され、たたまれたひと組の布団と、テーブル、テレビ。
そして、暖かそうな五月の光がさしこみ、窓辺に眠ったの姿があった・・・。
開け放たれた窓のサッシに両腕をのせ、五月の心地よい陽の光に、気持ちよさそうに足を崩して眠る・・・・。
その姿は、とても気持ちよさそうで、幸せそうで・・・・。
鷹村はその場に立ち尽くして
その姿を見つめる・・・。
そして、ほんの少しほほえむと、ビニール袋を畳において、
の隣に座り、鷹村も青く澄み切った五月の空を見つめた。
そしてサッシに肘をつき、外をながめ、スヤスヤと眠るの顔を見つめた・・・。
さらりと頬にかかる髪を耳にかけてやる。
そしてまた、顔を高い青い空へと戻すのだった・・・・。
終。
2019/05/31...