ある春の晩。
「鷹村さん!今年の夏はゆかたを着ましょう!」
「・・・・・あ?」
鷹村の部屋でテレビを見ていたは、唐突に鷹村のほうを見ると、そう言った。
布団の上に寝転がって雑誌を見ていた鷹村はまたなんか言い出した・・という、
怪訝な顔つきで一言返す。
「そういえば、去年もお祭りには行ったけど、ゆかたで行ったことは一度もなかったなぁ・・と思って。」
はやたらとにこにこして言う。
「・・・・持ってねぇし、めんどい。」
「買いましょうよ!めんどくさがらずに!日本人でしょ!」
鷹村の言葉に即座には返す。
「あんでだよ。んなもんに金使いたくねぇよ。」
鷹村はめんどくさそうに言うと、反転してに背を向けた。
「着ましょうよー!あたしも着るから!!それで一緒に祭り行きましょー!」
背を向けた鷹村になだれかかり、ゆさゆさと揺らしながらはねだる。
なぜこんなにゆかたゆかたとお願いしているかというと、
さっきテレビを見ながらぼーっとしていたら、ふと、鷹村のゆかた姿が頭に浮かんだからだ。
体格のいい鷹村のゆかた姿は、思わずにやけてしまうほどにはたまらなかった。
そういうわけで、突然こんな話をしだしたのだが・・・
「・・・・・・・・わかった。」
無言を貫いていた鷹村が、ぽつりとつぶやくように言った。
「え!」
その言葉にパッと顔を輝かせるだが・・・・
「お前も着るなら・・・着てやらんこともない・・・・・」
「・・・・・・・・・」
その言葉とニタァ・・とした表情には悪い予感がした。
「あ・・・あ〜・・・やっぱり・・・いいかな・・・・」
そーっと離れようとしただが・・・・
「世の中タダで思い通りになるとおもうなよ!!!」
「ぎゃあ!!!」
ガバッと、鷹村に捕まってしまった。
「ちょ、離して〜〜〜!!」
「ゆかたプレイってのも悪かねぇなぁ〜。」
ジタバタと暴れるを抱え込みながら、鷹村はニタニタと悪い笑みをこぼしていた・・・・。
さて、今年の夏はどうなることやら・・・・・・
終。
2012/04/22....