アルバム。
〜幼き日の写真〜













「・・・と、言うわけよ・・・。」





時は午後。
場所は木村の部屋。



木村、青木、一歩、鷹村、そしては今、木村の部屋にいた。
それは何故か?
それは一歩が見事デンプシーロールをし、勝利した復活戦後、
木村が熱を出し、皆でお見舞いに来たからである。
若干一名、騙されて何だか打ちひしがれていた人もいるが・・。

そして今、木村と青木の馴れ初め話・・・。
ボクシングを始めた話や高校時代の話を聞いていた。


「そっか・・お二人はそうしてボクシングを始めたんですね・・・。」


一歩は二人の話を聞き、はぁ〜。と何時ものほわわんとした雰囲気で言った。
しかしその横で・・・。



「・・・・・・・・・。」



意識を飛ばしてる女がいた。


薄く微笑みながら宙を見ている。
怖いこと限りなしだ・・・しかし、俺様の頬殴れとかなんとか鷹村が言い、
わあわあと三人でしているので、そんなには気づいていない。

そしてなぜ意識を飛ばしてるか。

それは今までの話の登場人物を知ればわかるだろう。



高校生の青木、木村、鷹村、中学生の宮田。






『中学生の宮田。』である。







「わー!やめてくださーい!!!あ!ほら魚がっ!!!」


「ああ!生き返った!!!」


と、皆が騒いでる横で・・・。




バッバッバッバッ!



一人真剣にそのアルバムを勝手にめくるの姿があった・・・。



「「「「・・・・・・・・・。」」」」


そして四人はその異様なの行動に気づきを見つめた。




「・・・・・無い・・無い・・・無い・・・。」



そしてはぼそぼそとつぶやく。



ちゃん・・どうした?」



木村は恐る恐る笑顔でに言った。


「・・・宮田君のその当時の写真は無いんですか!?」



「へ?」

木村は突然の宮田の名に焦る。


「宮田君の小さい時の写真が!見たい!」


は握りこぶしを作り叫んだ。



「「「「・・・・・・・。」」」」


と、そんなの言葉に面白くなさそうにしている人がひぃふぅみぃ・・。

「あ〜・・・多分ねぇな・・・。」

と、木村も探す気ゼロで答える。


「何だよ、宮田の写真見てどうすんだよ。」


と、一番面白くなさそうにしている鷹村が言った。


「だって!あの宮田君の小さい頃ですよ!?
きっと可愛かったんだろうな〜〜〜!」


は、あー!みたい!と語尾にハートをつけて言う。


ここで四人に疑問が浮かんだ。




は宮田を好きなのか?




そしてが更なる行動をした。


「あ!木村さんが持って無くても本人なら持ってますよね!聞いてみよう!」


は携帯を取り出したのである。


「え!」

「ええ!」

「えええ!?」


と、三人は声を上げて驚いた。


「・・・はい?」


その声にが驚く。

「み、宮田君携帯持ってるの?」

「うん。」

一歩の言葉には答える。

「そ、そいでもって・・ちゃんは番号教えてもらったの?」

「はい、鴨川ジムやめる時に、はい。って。」





『あのやろう・・・・・・。』




と、全員の額に青筋が立った。


「かけてみよーっと。」


がアドレス帳から選んで通話ボタンを押す。
そして何回か呼び出し音が鳴った後・・・嬉しそうにかけるにとうとう鷹村が切れた。


「ふん!!」

「わあ!」


から電話を奪い・・。




『・・・もしもし・・。』


「よーお!俺様だ!元気してっか!?」


ちょうど出てしまった宮田と話し始めた。

「た、鷹村さん!?何ですか!?電話返してくださいよ!!」

は立ち上がった鷹村の周りで手を伸ばし、電話を取り返そうとするが、
と鷹村の身長差・・・・とどくはずが無かった。



『・・・・・・鷹村さん・・・何すか・・。』


からの電話の筈なのに鷹村が出たことに少し戸惑いながら、
でも、数秒後には何時もの宮田の調子で言った。


「何かって〜?てめぇに番号なんか教えやがって・・。」

と、小声で言う。


『・・・・別に深い意味は無いですよ。会長とかにも教えましたし。』


と、宮田は言うが・・・実は下心有りだったり・・・。
しれっと宮田はしらばっくれた。



「今からてめぇに俺様を出し抜いたことを後悔をさせてやる・・・。」


『・・・は・・?』


と、鷹村は言った。そしてその数秒後・・・。




『きゃーー!!何すんですか鷹村さん!やめっ・・!』

『わー!鷹村さん!ちょっとぉ!!』

さん!さーーん!!!』

『駄目だ!!とめられねぇ!!!』

『やめっ・・・!!!』




ブツッ。



ツーツーツー・・・・・。







「・・・・・・・・。」



ガタッ!



「あ!一郎どこ行くんだ!まだトレーニング終わってないぞ!」


「父さんごめん!緊急なんだ!!!」




「一郎!一郎ーー!!!」






その後、宮田がを救えたとか、
宮田は達の居場所がわかったのかとか
は一体何をされたのとか・・・・数々の事は謎である。








終。


2003/07/18....