あけおめ。01
それは元旦の朝・・・いや、もはや昼の時間だった・・・。
「・・・!」
「うー・・・ん?」
「起きなさい!」
「なあに〜・・・?お母さん・・・。」
昨夜、大晦日カウントダウンテレビを見ていて遅くまで起きていたは、
布団でまだ起きたくない〜・・。と、もがきながら自室に起こしに来た母親に用件を聞いた。
「・・・千堂君て子が来てるわよ。」
母の声はいささか弾んでいた・・・・・・。
「・・・・・・・は!?」
はガバッと起きる。
「も隅に置けないわね〜、格好良い彼氏なんて作っちゃって。」
「はっ!?え!?せ、千堂さん!?」
「そうよ、千堂君ていう男の子。」
「・・・・・・・・・・・家に来てるの?」
「そうよ?玄関にいるわよ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
ダダダダダダダダダダダダダ!!!!
ダン!
「・・・・・・・・・・・・」
はパジャマのまま急いで自室を出て、階段を降り、階段を降りるとすぐ玄関なので、
玄関から見えない位置でダンッ!と止まると、そっと玄関を見た・・・・・。
「・・・・ん?おお!あけましておめっとさん!」
そこには・・・・の家の玄関には・・・まぎれもない、
千堂武士がいた・・・。
「せん・・・・千堂・・さん・・・・?」
が「何故ここに!?何故、うちの玄関に千堂さんが!?」と唖然としていると。
「何やお前、まだ寝てたんか。」
千堂は呆れた顔でそう言った。
その言葉では我に返り、寝癖のついた髪をサササと少し直し、千堂に言った。
「千堂さんどうしたんですか!?」
その質問の答えはいたって単純。
「一緒に初詣いかへんか?」
千堂はさらっとに返した。
さらりと・・・
「・・・・・・・・・・・・・・」
しかし言われたはさらりとまた返せるわけが無い。
(は?初詣に一緒に行こう・・・?)
頭の中でぐるぐると考える・・・。
それは一般的に恋人達がすることなのでは・・・?
とが思っていると・・・。
「ばあちゃんと一緒に行こうと思ったんやけどな。
人込みはもういやや言うてなー。
ガキどもとは行きたくあらへんし、一人で行くのもなんやなー・・思て・・
お前の事思い出してん。」
「ああ・・・。」
そういうことですか・・・。
とは残念なのか、安堵なのか良く分からないため息をほっと吐き出した。
「あ〜・・初詣・・・・。」
は微妙な返事をした・・。
「なんや・・・お前も駄目か・・・。」
すると千堂は少し残念そうにしゅんとした。
(・・・・・・・・・・・・。)
そんな千堂は少し可愛くて・・・年の初めから良いものを見た・・・
とが思っていると・・・。
いまだに階段から顔だけをだして千堂と会話をしていたの背後から声がした。
「行ってきなさいよ!ね!千堂君。」
いつの間にか母が背後から降りてきたのだ。
「お母さん。」
「ごめんねー、千堂君。寝起きだからまだ頭働いてないのよ。
初詣行く準備も出来てないし、上がって待っててね。」
がぼやぼやしていると母がちゃっちゃかと話を進めた。
「え、ちょ!」
が困惑している間にも・・。
「あ、ほんまですか〜?すんません!ほな、お邪魔します〜。」
話が進んで行き、千堂が玄関を上がった。
「え!千堂さ・・・!」
「ちょっと!」
母はににじり寄り小声で呼んだ
「何よ!今日彼氏と初詣行くなら行くって先に言いなさいよ!」
「え!ちがっ!」
誰が彼氏だ!!!!
とは突っ込みたかったが、まくし立てる母に勝てる者はいない・・。
「ほらほら!さっさと着替えてらっしゃい!!」
と、階段の上へと押し上げられた。
「・・・・はい・・」
は何が何だか・・と思いながらため息をつき、
階段を上がり、着替えるため自室へと向かったのだった・・・。
続。
2006/01/04...