やってきたあいつ。02













「・・・・。」

はドアの影から教室を覗いていた。

澤村に蹴りを食らわたあと、ダッシュで逃げたは、なんとか助かったが、
1時間目が始まるため、しぶしぶ教室に戻ってきたのだった。

(よかったいない・・。)
は教室に澤村がいないことを確認すると、ほっとしながら教室に入った。
しかし、その途端。

大丈夫!?』
「えっ・・!?」
友人を含む、女子達がのもとにやってきた。
、いきなり澤村君のこと蹴っ飛ばしてるんだもん。ビックリした〜。」
1人が言い出した。
「しかもそのあと澤村君怒ってたでしょ?、殴られるかと思って心配しちゃったよ。」
どうやら、澤村を蹴ったを心配してきたらしい。

「あ〜・・あはは、だいじょう・・・」
「よう、どこ行ってたんだ?」

状況を呑み込めたが、「大丈夫だよ。」と、言おうとしたとき、
の肩に誰かの手がかかった。

「・・・・・・・・・・・。」
が、恐る恐る横を向くと、そこにはにっこりと笑った、澤村の顔があった。
しかし、目は笑っていない・・。

「・・・・・・さ、澤村・・君。」
は青ざめながら言う。
「さっき、途中でどこか行っちゃったから心配したんだぜ?」
「・・は?・・さっき?」
は澤村の言っていることがわからなく、聞き返した。
「みんなの前だからってすっとぼけんなよな。俺は別にみんなにばらしてもいいぜ?」
澤村は、それだけ言うと、さっさと席へ戻っていった。

「・・・・・・?」
(あいつ、何言ってんの??さっき???)
そして、澤村の意味不明な言動にがぼや〜っと考えていると。

!一体どういうこと!!』
澤村の、笑顔に見とれて、黙っていた女子達が、澤村がいなくなったのを
きっかけに、ものすごい勢いで聞いてきた。

「何!?何なの!!さっきって何!?」
「あんた達、どこ行ってたのよ!!」
「しかも、名前で呼ばれてるし〜〜〜!?」
「うちらの知らない間に、何があったの!!」
「抜け駆けは許さないわよ!!」
「・・・・・はい?」
女子達に圧倒されはもうわけがわからなかった。

実はが逃げ去ったあと、澤村もどこかへ行ってしまったのだ。
そのため、さっきの澤村の発言で、友人達や、今の話しを聞いてた人達は、
二人はあの後どこかで会って、何かあったと、勘違いしているのだった。

(何!?一体なんなの?なんでこんな事に〜〜〜!?)
は困り果てていると、視界の隅に澤村の姿が見えた。
澤村の方をみるとの困り果てている姿を見て、ニヤニヤと笑っていた。
(もしかして・・・・・。)

は気付いたのだった、さっきの蹴りの仕返しだと・・。

そう、すべては澤村の策略だったのである。
下手に澤村が仕返しするよりも、澤村ととの間に、何かあると知った、女子達のほうがかなり怖い。
それに、自分とが付き合ってるということになれば、女達も近寄ってこない。
澤村にとっては仕返しもでき、女達の厄介払いも出来る。
まさに、一石二鳥なのだ。

それに気付いたは、怒りが沸沸と沸いて来た。

(こんっの性悪男ーーー!!)
は笑っている澤村を、思いっきり、睨み付けた。
が、澤村は、フン、やっと気付いたのかバーカ。と笑っていた。

「・・・・・・・・・。」
の顔がひきつる・・・この時は思った。
「この男だけは敵に回してはならない・・。」と。







続。