冬の夜空。
星を見上げる・・・。
少し離れた星の下、お前もこの星を見ているのだろうか・・・。
明日も会えるけど・・・急に会いたくなって。
俺の足はお前のところへと向かった。
「・・・・・・・・。」
住宅街を通り、あいつの家の前につく。
部屋の明りはついているけれど・・・。
こんな夜更けにインターホンは押せない。
俺は煙草の煙を吐きながら・・。
こうこうと輝く部屋の明りを見つめていた・・。
なにやってんだか・・・・・。
俺は自分のしていることの馬鹿さ加減に気付き
自嘲的に笑いながら歩き出そうとした。
その時。
「あれ!?やっぱり!何してるの澤村君!?」
あいつの声が聞こえた。
振りかえると・・・あいつが窓から俺を見ていた・・・。
「よぉ・・・。」
俺は見つかってしまった罰の悪さと。
会えた微妙な嬉しさとで気の抜けた返事をする。
「何やってんの?寒いでしょ!?」
あいつは少し小声で寒そうに肩をさすりながら俺にそう言った。
「・・・入る?」
あいつは少し考えた後そう言ったが
「いや、いい。」
俺は断った。本当にあがったら多分あいつが怒られるだろうし。
「そか・・で、どうしたの?」
あいつは少しほっとしながら俺に聞いてくる・・。
まぁ、こんな夜更けにいきなり彼氏でもない。
ただのクラスメイトが現れたらだれだって何事かと思うだろう。
「・・・・・・・・。」
会いたかった。など言えるはずもなく俺が黙っていると・・。
「何?あたしに会いたくなったの?」
あいつは、にーっと笑いながら言った。
「・・・うぬぼれんな馬鹿。」
俺はさらっとそう言うと、図星をつかればつが悪く歩き出した。
「じゃあな・・・・・。」
俺は煙草を持った手でひらひらと手を振る。
「あ・・・・・また明日ね!澤村君!!」
「・・・・・・・・。」
あいつはそう叫ぶ。
ああ・・・・また明日。
終。