答えの出し方。
恋は、いつ始まるんだろうか。
どこからがはじまりなんだろうか・・・
考えていたら、日が暮れていた。
空は紺のグラデーション。
その境目が分からないように、
答えも分からないまま。
彼女を好きになったのは・・・・あの、初めて会った瞬間の、一目惚れなのか・・・
それとも、あいつが彼女を気に入っていたから・・・・・
気になって・・・・起こった、錯覚なのか。
この気持ちは錯覚なのか、偽物なのか・・・・俺は彼女を好きじゃないのか・・・・・
考えていたら、苦しくなって、膝を抱えて顔を伏せた。
『会いたい。』
言葉が心に浮かぶ。
彼女に会えば答えが分かるような気がした。
確かめられると思った。
この想いが偽物じゃない、本物だと。
そっと顔を上げると、いつの間にか紺のグラデーションは、均一な藍になっていた。
こうこうと、白い綺麗な月が輝いている・・・・
「帰ろう・・・か。」
すり寄ってきた猫に、つぶやいた。
明日会いに行こうと決めたら、気持ちがぽかぽかして・・・自然に笑みが浮かんだ。
考え続けるよりも・・・一目彼女を見るだけで、結論がつくのかもしれない。
終。
2010/08/09....