散歩日和。
「あー・・今日も天気が良いね〜。」
は窓から外を見てそう呟く。
ある日の午後はリビングの窓に佇んでいた。
リビングには他に。
「そうね、お散歩日和っていうのかしらね。」
フランと。
「天気が良いから・・木々も嬉しそうだ・・・。」
ジェロニモと。
「よし!じゃあデートしようぜ!!」
ジェットが居た。
「は?」
最後の言葉には降り返る。
「よーし行こう!今すぐ行こう!!」
ジェットはそう言うと嬉しそうにの手を掴み玄関へと向かう。
「ちょ、ちょっと・・・!」
は止まるがジェットはそんなを構わず玄関へと引っ張る。
「ちょっと待ってって言ってんでしょ!ジェット!!!!」
「!」
そんなジェットにの雷が落ちた。
「ご、ごめん・・・・。」
ジェットは立ち止まり、凍り付き手を離す。
ジェットとの日常はこんなだったりする。
強引なジェットにはっきりと物を言うは
毎度ピシャリと言い、その言い方・・というか
気迫?はまさにお母さんの雷状態で
ジェットは毎度毎度凍りつく・・。
「外に行くのは良いけどあたしにも準備が有るの。だから少し待って!」
「はい・・・・・。」
ジェットはに怒られしょげる。
が、デートには行ってくれるらしいので大人しく待つことにした。
「はい、お待たせ。行こうか。」
「おう!!」
ジェット嬉しそうに外へと出る。
「・・・・・・。」
そんな嬉しそうなジェットを見てはクスっと微笑んだ。
「ねぇ、何処行くの?」
はジェットに聞く。
「あー・・何処行く?」
行き先は決まって無いらしい。
気まぐれなジェットらしい事だ。
「じゃー・・取りあえず町に降りようか。」
「よーしじゃあ行くぞ!」
「え、わぁ!!!」
行き先が決まるとジェットはを抱え、空へと飛んだ。
(やっぱりジェットとの移動手段ってこれなんだ・・。)
は、あははと風を身体に受けながら笑った。
「さーて何処行きましょうか。」
結構、栄えている町に付いたは考える。
「んー・・適当にぷらぷらしてれば俺は良いけど。」
と二人でいられれば何処でも何でも。
と言う事は口には出さず。
ジェットはそう言った。
言うときっとの鉄拳が飛ぶから・・・。
「んー・・じゃあそうしようか。」
そして二人は町を歩き始めた。
デパートへ行ったり。
商店街へ行ったり。
小さなお店に入ったり。
二人はぷらぷらと歩く。
「ん?」
そうしているうちには何かに気がついた。
(視線を感じる・・・。)
そうしてが降り返ると気のせいじゃなかったらしく、
通りすがった人がこちらを振り返っている・・。
(何・・?)
はなぜ振り返るのか分からなかった。
「・・・・あ!」
・・が、気がついたらしい。
「ど、どした?」
突然叫んだに焦るジェット。
「・・・・・。」
はジェットを見つめる。
そう、ジェットはアメリカ人・・外国人だ。
ここは日本。
良く考えずとも普通ならばすぐに分かる。
外国人は目立つと言うことを・・。
がは分からなかった・・・。
ジェットが外国人と言う事を・・意識していなかったから・・。
ジェットはジェットで・・もう、それ個人で・・。
でも、ジェットはアメリカ人で・・・・。
よく分からないけれど・・にとって
外国人とか・・そう言うことは気にすることの無いことだったのだ・・。
そうしてジェットを見つめていると・・。
「見つめんなよ、照れるじゃねぇか。」
バキッとの鉄拳が飛んだ。
「さぁ、お茶でも飲もうか。」
「・・・・・冗談なのに。」
「うーん、良い天気。」
喫茶店の通りに面したオープンテラスに
座ったとジェット。
午後の日差しが気持ち良く。
のんびりとお茶を飲んでいられる幸せが嬉しい。
「あ、俺トイレ行って来る。」
「あ、じゃああたし注文頼んどくね、何が良い?」
「うーん・・アイスコーヒー。」
「はーい。」
そう言うと、ジェットはトイレへと向かった。
一人になり店員が注文を取りに来るまで
ぼーっと空を見つめていた。
するとフッと視界が閉ざされた。
「一人で何してんのー?」
「俺達とお茶しないー?」
(うっわ・・まじですか。)
は焦る。
どうやら・・ナンパ・・・らしい。
あたしをするなんて珍しいなー。
よっぽど女いないのかなー。
と考えつつは断る。
「いや・・一人じゃないんで。」
「あ、友達いるの?じゃあ二人でちょうど良いねー。」
(友達は友達だけどさ・・なんでそう良い方に解釈するかな・・。)
とが思っていると。
「おい・・・何やってんだ・・・・・?」
改造前時代の気迫を身にまとった、機嫌の悪い、目付きの悪いジェットが現れた。
「あ・・・・」
「・・・あ、彼氏いたんだ!ごめんね!!」
さすがシャーク団ボス、ジェット。
既に気迫だけで男達は逃げ出したい一心である。
「てめぇら誰に声かけてんだ?ああ!?」
「・・・・・・・・」
このまま放っておいたら警察沙汰になる・・・。
はそう思った。
「ジェットー、もう良いから行くよー。」
はジェットの手を引っ張る。
「あ!おい!まだ終ってねぇ!!」
「何が終ってないのよ・・もう、良いから行くよー。」
「あ!おい!!!」
そう言うと今だ吼えるジェットを引きずり
は店を後にした。
「っだーーー!!ムカツク!!あの野郎達!!!!」
「・・・・・」
人気のない河川敷にやってきたとジェット。
は草の上に座り。
そしてジェットはさっきからずっと叫んでいた・・。
「俺のに声なんかかけやがって!!!」
「誰があんたのよ。」
と、すかさず突っ込みが入る。
「う・・・・。」
そこでジェットがしょげる。
「なぁ・・は俺のこと嫌い?」
トスンと地面に座ったジェットは草をぶちぶちと抜きながら言う。
「好きよ・・・・。」
「え!?」
「皆もね。」
はニッコリと笑う。
「ああ・・・」
打ちひしがれるジェット。
「なんでかなー・・俺こんなに好きなのに・・・。」
そう良いながらごろんと寝そべるジェット・・・。
「・・・・でも・・・またデートしてあげても良い・・かな。」
はぼそっと呟く。
「!?」
寝たままジェットはを見る。
は少し顔を赤くしながらそっぽを向いていた。
「ーーーーーーー!!!」
「だからやめい!!!」
がばっと抱きついたジェットに今日もの鉄拳が飛んだ。
終。
56789番を取られた如月さんのリク、
ジェットで一日デートで気の強い主人公で・・・でした。
2002/09/28....