Let’s アルバイト。
「「「「「「「「「「働け?」」」」」」」」」」
みなは声を揃えてそう言った。
「そうだ・・。」
ギルモア博士は深刻な顔をしながら頷く。
先ほど、ギルモア博士から皆集まれ。との連絡が来た。
そこで00ナンバーと はリビングへと集まったのが。
そこで聞かされたのは一言。
「皆、働け。」とのこと・・。
「我々は今、コズミ博士の家にお世話になっている・・。
そして10人分・・わしを含め11人分の食費やら光熱費やらは
今までコズミ博士に払ってもらってきた・・。
だがな・・・11人分は大金だぞ?
いつまでもコズミ博士のお世話になっているわけにはならん。
そこでじゃ!皆働くのじゃ!!
自分達の生活費は自分達で払うのじゃ!!!」
博士が言い終わると部屋はシーンと静まり返った。
「・・・・別にいいけどよ。」
最初に沈黙を破ったのはジェットだった。
「俺達サイボーグだからな。別に普通の仕事して疲れるわけじゃねぇし。
どうせ、敵が来なけりゃ1日中家ん中いるんだしな。」
「そうだな・・・・博士にも悪いしな・・。」
ハインもふむと頷く。
「それに・・日本でアルバイトっていうのもしてみたいしね。」
フランも賛成のようだ。
「わかったアルネ!ワタシもがんばるアルヨ!!!」
張々湖も乗り気だ。
「アルバイトか〜・・初めてだな・・。」
『・・・・・・・・・・・・・・・。』
そしてがそう呟くと・・部屋が一気に静まり返った。
「・・・え・・何?」
は焦る。
「・・・・博士。はどうなんだ?」
ジェットがギルモア博士に聞く。
「???」
にはなんのことだか分からない。
「ああ・・そうじゃったな・・は・・・。」
ギルモア博士が悩んでいるとハインが口を開いた。
「はやらなくていいんじゃないのか・・?」
「そうだな・・生身の人間だから疲れるだろうし・・。
ここから働きに行くにも、町まで降りなきゃ行けないから一苦労だ。」
ピュンマがそう言い。
はやっとなんのことか分かった。
『もアルバイトをするかしないか。』
と言うことで話しているらしかった。
「え!ちょっと待ってよ!!あたしもやるわよ!?」
そこでが叫ぶ。
「だって、あたしだってここで生活してるんだもん!
食費とかだってかかるし・・。
あたし一人、人間だからって働かないのはやだ!」
「・・疲れるぞ・・?」
「平気だよ!だって、普通の人間だって働いてるんだよ?
あたしだってできるって!」
「「「「「「「「「「・・・・・・・。」」」」」」」」」」
全員がふっと微笑んだ。
「よし。じゃあみんなで仕事を探そう!」
こうして、00ナンバーとのアルバイトの日々は始まったのである。
さすがにすぐに仕事は見つからず。
数週間が経ち。
イワン・・・はさすがにアルバイトは出来ないが
ジェットはガソリンスタンド。
フランはウェイトレス。
ハインはタクシー運転手。
ジェロニモは工事現場で働き。
張々湖はラーメン屋。
グレートは家庭教師。
ピュンマは地元漁師のお手伝い。
ジョーは喫茶店。
そしてはスーパーで働き出した。
「いってきま〜す。」
午前9時。
10時から仕事のは家を出る。
「「「「いってらっしゃ〜い。」」」」
「・・気をつけてな・・。」
まだバイトには時間のあるグレートとフランとジョー。
そしてバイトが休みのハイン。
そしてイワンがお見送りをしてくれた。
他の00ナンバー達はもう、バイトに出かけた後だった。
は博士に作ってもらった原付バイクに乗りながら町へと向かう。
「あさん。水出しといて。」
「あ、はい。」
バイト中。
レジが空いたは水の品だしを頼まれた。
水とは水に始まりジュースやお茶などのペットボトルを出すことである。
「・・・・・・・・・・。」
水の品出しは・・・・過酷だった。
(お〜〜も〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜!!!!)
水の品出しと言っても、500mlのペットボトルではない。
一本2リットルのペットボトルである。
しかも箱ごと買っていくお客さんもいるため
2リットルが6本・・へたすると8本入った
ダンボールを棚の上に持ち上げなくてはならない。
しかも・・奥の方にも置かなくてはいけないため
奥に置こうとするのだが奥に置こうとすると体勢がきつく力が入らない。
水出し・・・それは・・・思っているより過酷な作業だった。
されど生活費を稼ぐため。
は必死に箱を上げる。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・。」
そして次は難関の奥の3段目。
は意を決して持ち上げる。
そして一気に下をがっと持ち。
持ち上げる!!
が、重い。
(重いよ〜〜〜〜〜!!!!)
が眼を閉じ。
力を入れて持ち上げているとふっと軽くなった。
(え?)
は眼を開ける。
そしてダンボールを見ると。
そこには白い手袋をした手が・・・。
「随分と重たそうだな。」
「ハインっ!!!!」
「よう。がんばってるか?」
そう言いながらハインはの手からダンボールを取り片手で持つ。
「ど、どうしたの?」
はいきなりあらわれたハインに驚く。
「ん?暇だからな・・みんなの所を嫌がらせに回ってるんだ。」
ハインはフフと笑う。
「ひど〜。働いてる姿って結構見られたくないものだよ?」
も微笑む。
「しかしお前・・こんな物も持ち上げられないのか?」
ハインは2リットルのジュース6本入りのダンボールを
片手で異とも簡単に持ちあげる。
「・・・・ハインが力ありすぎるの・・持てなくて当然よ。」
「そうか・・大変なこった。あと何個あるんだ?」
ハインはフっと笑うとに聞いた。
「あと・・2つ。」
はなんで?という顔をする。
「貸せ。置いてやる。」
ハインは今持っていたダンボールを棚へと置く。
「あ、ありがとう〜!」
は過酷な仕事から解放されると思うと嬉しく
微笑みながらそう言った。
「・・・・・ああ。」
その笑顔にハインは微笑みながら
ダンボールを次から次へと置いていった。
周りに微妙な人だかりが出来ているとも知らずに・・・。
「!?」
はそこではっとする。
話しこんでいたうちに周りには微妙な人だかりが出来ていた。
それもそのはず。
ここ日本では珍しい銀髪。
その上、奥様方に受けのよさそうな美形の渋い男。
ハインがいるからだ。
「・・・・・・・。」
ハインも人だかりに気付いたらしい。
ちょっと焦っている。
「・・・帰った方がよさそうだな。」
「そうだね・・。」
こうしてハインは帰っていった。
その後3時間。
は仕事をし。
終え。
家に帰ってきた。
「ただいま〜〜〜〜〜・・・。」
さすがに1日6時間はきつい・・。
と思いながらは玄関でへたりこむ。
「あ、おかえりー。」
へたりこんでいると先に帰ってきたジョーが出迎えに来てくれた。
「ただいまー・・疲れたよ〜。」
「ご苦労様。お茶入れるからソファに座ってて。」
ジョーは優しく微笑む。
「ありがとう〜。」
はジョーは優しいな〜と思いながら
ずるずるとリビングのソファへと向かう。
ソファにはジェットが先に座っていた。
「お、おかえり〜。」
「ただいま〜。」
はぼてぼてと歩きながらソファにどさっとなだれ込む。
「相当疲れてるみたいだな。」
「う〜ん・・もうくたくた。ジェットは疲れない?」
「全然平気だぜ。」
ジェットがにーっと笑う。
「・・・・・・・・いーなー。」
がソファにもたれているとジョーがお茶を持ってきた。
「はい、お茶だよ。」
「ありがとう〜。」
は一口飲む。
「・・・・あー生きかえる・・・。」
はふーっと息をついた。
「あ、ハインは?まだ帰ってないの?」
「あ、うん。まだみたい。」
ジョーがの問いかけに答える。
「あ、ジェット〜今日のハインの嫌がらせどうだった〜?」
ハインが来て1番嫌がりそうなジェットにはフフと聞く。
「あ?嫌がらせ?」
が、ジェットは、あ?と言う顔で聞き返す。
「・・・あれ?行かなかったの?今日働いてたら
『暇だからみんなのところに嫌がらせに来た。』とか言ってハイン来たんだけど・・。」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
ジェットとジョーは顔を合わせる。
(ハインリヒ・・抜け駆けしたな・・・。)
(あのやろー・・抜け駆けしやがったな・・・・。)
「あれ〜?みんなのところには行かなかったのかな〜?」
そして一人。
何も気付かずに呑気にお茶を飲むだった。
終。