夏の涼と機械の手。













「あ〜・・・ハインリヒの手はつめたいなぁ〜・・・。」


それは、とあるうだるような暑い夏の日だった。



・・・。」



長ソファに座ったハインリヒの手に、体を横にしながら頬をつけ、
涼を取るに、ハインリヒは渋い顔をして声をかける。


「ハインリヒの手はいいね!冷たくて!夏に大活躍!」


はそのままの体勢でハインリヒを見上げながら、
ハインリヒの瞳をじっと見つめ笑顔で言う。


「・・・・・・。」


その言葉に、ハインリヒは言葉を詰まらせ何も言い返せない。

しかしぽそりと・・・




「この・・・機械の手がそんなにいいか・・・・」




と、じっとと、自分の鈍く光る機械の手を見つめ、つぶやくように言った。




「・・・・うん!」




しばしはハインリヒの顔を見つめた後、にっこりとほほえみ、返す。


「・・・・そうか・・・。」


ハインリヒはふっと笑い。瞳を閉じた。





機械の身体を・・・。


いいと言ってくれるのは・・・。




おそらくこの世界で君だけだろう・・・。






「あ!ねぇ!ハインリヒ、身体も機械なんだよね!?
じゃあ服脱いで抱きついたらひんやりするのかな!?」


「そこまではさせないぞ!」




ハインリヒは怒鳴るのだった。








終。


2019/09/09....