キャッチボール。
それは・・コズミ邸を旅立つ前日の事・・・。
「・・・ハイン、キャッチボールしよう。」
そうが突然言い出した。
「・・・・キャッチボール?」
部屋で荷物を・・といっても数少ない荷物を
まとめていたハインはいきなりドアの前に現れたに驚く。
「うん。これ、掃除してたら見つけてさ・・。」
そう言ってが差し出したのは少し埃のかぶったグローブとボール。
それも一つ・・・・。
まぁ、俺は素手で平気だが・・・。
ハインはそんなことを考えながらこんな日にキャッチボール・・
と言い出したの気持ちを探る・・・。
明日旅立つ・・それからは過酷な戦いが待っているだろう・・。
今のような平穏な時は過ごせない・・だから・・だからか・・・・。
ハインは少し納得したように頷いた。
「ああ・・・やろうか。」
そのまま二人はコズミ邸を出て砂浜に出た。
夕方で・・綺麗な夕日が空を赤く染めている・・。
「じゃあ、ハインそっちね。」
そんな中はただ淡々とキャッチボールをしようとしている。
「ああ・・・。」
そしてハインも・・・。
「行くよー。」
そして赤い空にボールが上がった。
ボールは高く上り・・・
ぽすん。
とハインの手へと収まった。
「お・・上手いな・・・。」
そしてまたボールは昇り・・
ぽすん。
とのグローブへ収まった。
「うわっ・・と。」
「強いか?」
「ううん、大丈夫。」
ボールが上り・・またボールが上る・・・。
ただ黙々と・・ボールを投げる二人。
笑うでもなく・・。
泣くでもなく・・。
ただただ普通に・・・淡々と・・・。
何度ボールが上がっただろうか。
ふとボールが止まった。
ボールはのグローブの中・・・・。
「・・・・・・・・・・・。」
はうつむき加減で・・・ハインからは顔が見えない・・。
そしては顔を上げ、ボールを思いっきりボールを投げた。
「また、キャッチボールしようね!」
ボスンっと少し大きな音をたて、ボールはハインの手の中へと落ちた。
「・・・・・・・・ああ。」
そしてハインは静かに微笑んだ。
それは約束。
切ない思いが裏に込められた約束。
終。
キリ番取られた、烈風さんへ。
2002/11/27....