君。














孤児院で育った僕は・・

毎日が生きるための戦いで・・

仲間でさえも信じられず・・

人は自分が一番で・・

たとえ仲間だと言われても・・

大切だと言われても・・




最後は裏切られることを知っていた。




だから・・愛されることも愛すことも

僕にはわからなかった。



大切な・・その人のためなら命さえもおしくない・・

そんな気持ちは・・・




そう、君と出会うまでは。




君は僕のために簡単に命を投げ捨てた。




恐れながら・・・泣きながら・・けれども懸命に・・・・。



僕を庇った。





それは簡単そうに見えて

とてつもなく勇気のいること。

強い思いがなければ決して出来ない・・。



そうして君は僕の心の中に入ってきて・・



それからも僕に優しさを・・温かさを与えてくれた・・。





いつしか僕は愛を知り・・・僕は君を愛した。






だから僕は君を守るよ。

君が微笑む度に僕は幸せになれるから・・・



僕は君を守る。



君が傷付かないように・・君が泣かないように・・・









ずっと微笑んでいられるように・・・ずっと・・・ずっと・・・・・。












終。


2002/07/28