あなたのために。














「きゃーーー!!!」




ドンガラガッシャーンと言う音と共にの叫び声が響く・・・。

「・・・・・・・・・・・。」

リビングでソファに座っていたジェットは思わず台所の方へ振り返った。












「あー!!なんであたしこんなに無器用なのーーー!!」



ソファに座りながらは顔に手を当て泣き叫ぶ。
「・・・・・・・・。」
隣に座っているジェットはまたか・・。と小さくため息をついた。
そしての頭にポンと手をのせるとくしゃくしゃと頭を撫でた。
「もーーーーう!」
はジェットの慰めに一層悲しみに浸る。

は何をしていたかというと
張々湖の夕飯を作る手伝いをしていた。
が・・・結果は張々湖に台所を追い出される始末。
そしてジェットが呆れている理由は
先日もフランの掃除の手伝いをしていた
花瓶を割り、バケツをひっくり返し・・追い出された。
は無器用なのである。

だがは無謀と分っていても家事を手伝おうとする・・。

出来ないやつは黙っていれば良い物を・・。

ジェットは何故は無謀と分っていて挑戦するのか・・分らなかった。





「・・・・なぁ・・なんでできやしねぇのに手伝うんだ?」



ジェットが呆れ気味にそう言うとはキッとジェットを睨みつけた。


「何にも出来なくてごめんなさいね!!どーせなんの役にもたたない女よーーーー!!!!」


はそう言うとまた手に顔を埋めた。

「・・そ、そうじゃねぇよ。出来るやつにまかせとけば良いだろ?」

ジェットは少し焦りながら言い直す。



「だって・・。」


そう言うとは話し始めた。






「あたし・・何の役にも立てないから・・。
皆と一緒に戦うことも出来ないし・・。
ギルモア博士みたく怪我も治すこと出来ないし・・。
足手まといだから・・・だから家事くらいやって・・。
皆の役にたちたくて・・・・。」





は俯きながらそう言った。










「・・・・・・・馬鹿じゃねぇの?」







ジェットの一声はこれだった。


「な・・・・ひどーい!!人が悩んでるのに馬鹿って!!」


が切れるとジェットが続きを話す。




「あのなぁ、奴らがそんなこと気にするたまか?
それになぁ・・お前はいるだけで十分役にたってるんだよ・・・。」




ジェットは呆れ顔で言う。

「・・・いるだけでって・・・?」

はジェットの言ってる事がわからない。


「・・・だから・・。」


みなまで言わすか・・。とジェットはため息を吐く。



「戦いから帰ってくるだろ?
それでお前が迎えに来ると凄い疲れが取れたりするんだよ。
空気が和むって言うか・・お前の出すオーラが役にたってるんだ。」



ジェットは少し顔を赤くしながら言う。

「・・・・オーラ・・いるだけで・・・・。」

しかしはまだ納得がいかない様。




「あーーー!!分ったよ!じゃあこれで良いだろ!」



そう言うとジェットはポンとの肩に頭を乗せた。


「え・・・・っ。」


が固まっているとジェットは続ける。






「お前は枕変わりだ。丁度良い高さだし。
これで役にたってるだろう!」






「え・・・・あ・・うん。」


は勢いに押されしどろもどろにそう答えた。



ジェットはまったく・・。とつぶやきながら数分後には
すーっと眠りの世界へと旅立っていった。



「・・・・・・・・・・・。」



肩を貸したは何だか気が気ではない。
だが・・肩に掛かる重みが何故だか心地よくて・・。
もその数十分後には眠りの世界へと旅立ったのだった。













その数時間後。




「・・・・・・・・ん・・。」
は目を覚まし、フッと眼を開けた。
するとそこには・・・・。





「ぐっすり眠れたか?」
「気持ちよさそうな寝顔だったアルヨ!」
「うふふ〜。」
「・・・まったく・・。」
「僕は起こそうっていったんだけど・・。」





ほぼ全員揃った00ナンバー達の姿が・・。

「すー・・。」

そしての肩にはもちろんジェットが眠っている。




「・・・・・えええええーーーーー!!」




はガタっと勢い良くたちあがった。

「イテッ!」

そしてそこには状況を理解していない頭を押さえるジェットの姿があった。














終。